体育教師福井



「先生……跳び箱下手くそだよね!」

「うるせーな!とべりゃーいいんだ!」

体育科の人気教師福井先生の周りを今日もたくさんの女子が囲む。先生が体育館の教官室に入ったあと、私は周りの女子がいなくなった後を狙って福井先生に会いに行く。

「福井は全くモテるのう」

「お前と違って顎ももみあげもまともだからな。あとゴリラじゃねーし」

「ワシも違うけど!?」

教官室から聞こえる仲のよい話し声。岡村先生と福井先生は昔同じ高校のバスケ部だったらしい。

戸をノックして、開ける。

『失礼しまーす。福井先生』

ん?と、出席簿を持つ福井先生が振り返る。それは2年生のクラスのもので。3年生になると受験に向けて体育が週一で選択体育になる。教師はつかず、自分達でやるので福井先生とはなかなか会えなくなった。選択体育も始まる前と終わった後には担当の先生に報告しなければならなくて、今回は私がしに来たのだった。

「なまえはバスケだな」

福井先生がバスケのとこにチェックした。

『ありがとうございました』

「おう」

『あの、先生。もし時間あったらたまに先生バスケ教えに来てくださいよ……!』

そう言うと。福井先生は嬉しそうな顔をして。

「おーいいな!やりにいくか!」

『は、はい!!見せてくださいよ!』

「岡村ー。じゃ俺行ってくるわ!」

私の隣を歩くのは福井先生で。福井先生の隣を歩くのは私だけで。小さな優越感に浸って。

「誘ってくれてありがとな」

そう言ってせっかく福井先生に会えるからセットしてきた髪を撫でてぐしゃぐしゃにしちゃって。でもその頭を撫でる手が愛しくて。私は、はいと返事して笑った。






(……ワシも体育科なんじゃけどな。ワシもバスケ部だったんじゃけどな。ワシもバスケしたいんじゃけどな………)



◎あとがき
Twitterで始まった黒バス教師妄想。岡村はギャグ要員です。(真顔)



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