友情パワーっていうやつですかね



 男子バスケ部にマネージャーとして入部してから早3日が経ちました。正直もう既に一杯一杯という感じです。本当誰か助けてください。

「玲ちゃん、ドリンクの補充手伝ってー」
「あ、はーい」

 さつきちゃんの声掛けに遠くに追いやっていた意識を元に戻し重い腰を上げる。今まで座学は勿論生徒会活動といったデスクワーク(?)ばかりで、“こちらの世界”に来てからというものの部活動らしい部活動をしていなかったせいか、それとも慣れ無いことをしているせいか筋肉痛がひどい。伸びをして一息付き、手招きするさつきちゃんの元へと急ぐため小走りに走れば腰やら足の辺りが悲鳴を上げているのが分かった。
 思わず体の悲鳴と共に口から出てくる悲鳴を上げながら走ってきたのが面白かったのかケラケラと笑いながらさつきちゃんは両手に持っていた沢山のドリンクボトルが入ったカゴの1つを手渡してくる。後について渡り廊下を歩いていると、口元を押さえながら振り返った彼女が徐に口を開いた。

「入ったばかりじゃ結構辛いよね」
「うん、話には聞いていたから覚悟してたけど、正直マネージャーの仕事がここまで大変だとは思わなかったわ……」

 カゴを受け取り大人げなく愚痴る私を窘めるどころか「お疲れ様」と肩を叩いて労ってくれるさつきちゃんの優しさに思わずジーンとしてしまう。何気ないことだけどそれだけで疲れが軽減してくるようだった。

「入部したのが結構行き成りだったし大変だと思うけど……私は玲ちゃんが入部してくれて嬉しかったなあ」

 そう言ってニコリ、と可愛らしい笑みを向けてくるから思わずこちらも頬が緩んでしまう。一番仲のいい友人がそう言ってくれるのはとても嬉しい。
 ……もう少しだけ頑張ってみようかな、なんて思いながらカゴを強く握りしめた。

2012/12/01

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