「やっぱり彼女にするなら可愛い年下が良いよな」 「年下って、僕等の年齢じゃ小学生相手に……ってもしかして君ロリコン?」 「ふ、ふざけんな!!」 (……煩いな)
ぎゃあぎゃあと騒ぐ友人達の賑やかな声に相変わらず変わらないなと思いながら佳主馬は教室を見渡す。夏休み明けの学校初日と言うこともあってか、久しぶりの再会に休み中の出来事を楽しげに話すクラスメイト達の声で教室内はかなり騒がしい。海外に行ったとか塾三昧だったとか、そんな内容を永遠に話してよく疲れないなと彼は思った。 ――佳主馬にしてみればクラスメイトが話すそれ以上に、彼が経験したあの夏の合戦は彼にとって忘れられない、そして何よりも大切な思い出になったからだ。あの合戦――ラブマシンの出来事を経験してみればその様に思うのも仕方がないだろう。 つまらなそうに辺りを見渡し再び格闘する友人達に視線を戻すと、佳主馬は漸くその重い口を開いた。
「……さっきから何騒いでるの?」 「コイツの友達が夏休み中に彼女作ったって聞いてさ、同じ中1として羨ましいじゃないか!」 「いや、だからって何で僕に当たるのさ……」 「るせぇな!俺をロリコン扱いした罰だ罰!」 「んな無茶苦茶な!彼女が出来ないのは自分のせいだろ?!」
思わず下らないと言いそうになるのをぐっと堪え佳主馬は呆れた様に小さな溜め息をつく。そして同時にどうやら自分にも友人達に伝えるべき話があるなと思い何気無くその事を話始めた。
「そういえばその話聞いて思い出したんだけどさ」 「……何だ?」 「佳主馬君が言うなんて珍しいね」 「煩いよ、2人共。――近い内にもしかしたら新しい家族が3人増えるんだ」 「はあ?」 「分かんないなら良いよ。……ああ、それとお前には悪いんだけどさ」
ニヤリと薄く笑う彼の表情に友人は訝しげに眉を寄せる。その顔を見て佳主馬は小さく吹き出すと嬉しそうに目を細めた。
「僕にも彼女出来たんだ。年上の、凄く可愛い人が」
佳主馬言った言葉に友人達はおろかクラス全員の悲鳴が響いた。
――― 早く後日談とか書きたいなー。 一発書きならぬ一発打ちなので消す可能性大(笑)
2010/10/19
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