イナズマ | ナノ

カトレア

19 幼馴染




 ――ふわふわと夢うつつに浸る時って凄く幸せな瞬間だとアタシは思う。(つまり睡眠ね)半分目が覚めたけど、なんだか起きる気にもならなくてアタシは布団に顔を突っ込み、再び夢の世界へと突入しようとした。
 だけど丁度その時、携帯のアラームが鳴り出す。少しイライラとしながら携帯を開いてアラームを止めた。

(……そういえば今日、豪炎寺君と一緒に練習するんだった)

 昨日の夜、突然来た豪炎寺君からのメール。ちょっと吃驚したけど、断る理由もなかったので承知したのだった。

「あー…、起きなくちゃ……」

 若干掠れた声で(実は低血圧だったりする)アタシは起き上がると、枕の脇に鎮座しているお休みポ●チャマに目が入り、何となくムカついてデコピンをしてやった。
それから伸びをして、雷門のユニフォームにいそいそと着替え始める。(最近私服来てないなぁ)
 身支度も終わり部屋を出てリビングに向かうと聞こえてくる鼻歌と美味しそうな匂い。普段通りの朝にアタシは小さく笑みを溢した。

「叔母さん、おはよう。今日は朝御飯な、に……っ?!」

 リビングに入ったら、(アタシがいつも座ってる席の隣で)豪炎寺君が美味しそうに朝御飯を食べていました。……ちょ、えっ、どういうこと?!

「あ、飛鳥ちゃんお早う」
「お……おはよう、叔母さん。じゃなくて!!何で豪炎寺君がいるの此処に?!」

((もぐもぐ))

(めっちゃ、美味しそうに食べてるー…)
「ふふふ、何言ってるの飛鳥ちゃん。修也君は飛鳥ちゃんの幼馴染みじゃない?」
「えっ……えーー?!」
「小さい頃はよく一緒に家族ぐるみで仲良かったのにー。しかも飛鳥ちゃんったら"豪炎寺君"なんて呼んじゃて、昔は"修也"って呼んでたのにねぇ、修也君?」

((こくこく))

「マ、マジですか……」

 力無くでた声に叔母さんはニコニコと笑っていた。……そうならそうって、言ってよ叔母さん……。
 携帯の待ちうけの事とか、色々と漸く分かったけど、今までアタシ豪炎寺君に凄い失礼な事してたのかな……。と凄く申し訳なくなった、日曜の朝だった。


―――
これ書く前にブログの方で書いたネタを引っ張ってきました。
これでやっと幼馴染ネタが書ける(笑)

2009/10/08


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