※イナズマ連載番外編 (ヒロインは雷鳥 飛鳥で固定)
「8月も終わったのにまだ暑いとか……本当勘弁して欲しいよ」 「今年は猛暑が続いてるから、練習も辛いし確かに早く涼しくなって欲しいね。……プールまではいかないけど、なんか冷えるものとかないかな」
――そんな何気無い朝食時の会話だった。秋達マネージャーが作ってくれた目玉焼きを突っつきながら飛鳥達が話していると、彼女の向かいに座っていた守が突然立ち上がり拳を突き上げ大声を出した。 不意打ちの出来事に話をしていた飛鳥達はおろか食堂にいたチームメイト全員の視線がキャプテンである守に向けられる。それに対し彼はキラキラとした明るい笑顔で笑って口を開いた。
「ちょっと遅いけど、皆で肝試しやろうぜ!」
――彼の一言で始まった少し遅い肝試し大会。練習をきっちりと終え外は既に暗くなり鈴虫が鳴いている。とはいえ、例年に比べ暑い熱帯夜に皆が気だるそうな表情を浮かべていた。 最初はこの企画に渋ってメンバー達も守の説得、そして彼から飛鳥がやりたいって言ってたんだ!と強く強調され、なんやかんやで結局全員が参加することになったのだ。軽い気持ちで口に出した事がまさかこんな事になるとは思わず内心申し訳無く思いながら飛鳥は冷汗を掻いている。
「じゃあ先程の皆に引いて貰ったクジを一斉に開いて見るぞ。紙に同じ番号が2人がペアになる」
鬼道の説明に皆が大きな円になり、それぞれが引いた2つ折りの紙を手にした。せーのっ、と合図が出され一斉に紙が開かれる。
(……14番か)
数字を確認し飛鳥は自身の14と書かれた紙をひらひらと振った。当りを見渡しペアを探す彼女の肩に――ある人物の手が置かれた。
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