イナズマ | ナノ


※ミスターkの結末ネタバレ


 今朝テレビで流れたニュースを見て涙が零れていた。何故だかは自分でもよく分からない。沢山辛い目に遭わされて憎くて仕方がなかった奴だったのに、淡々とアナウンサーの口から報告されるアイツの訃報を聞いた途端、何とも言えない喪失感を覚えたのだ。

「……悲しいのか?」

 浜辺に設置されたベンチに腰掛けアイツから貰ったオルゴールを嬉しそうに見つめるルシェを見ていたアタシに鬼道君は小さな声で尋ねる。まるで独り言の様な声色にアタシは彼へと視線を移した。

「……そういう鬼道君はどうなの?」

 彼の問いには自分自身でもいまいち理解が出来なかったのでアタシは曖昧に首を傾げることにした。代わりにこちらから尋ねて見れば、今度は彼が困った様に微笑を浮かべる。

「……俺も、だ」

 涙が出てこないんだ、そう言ってアイツのサングラスを握り締めた鬼道君はそれから口を閉じてしまった。
 ……頬を撫で感じる潮風が、いつもより重たく感じた。


―――
溜め撮りしておいたイナイレを今日一気に見た記念。
書くの久々過ぎて意味分からんw

2010/12/05

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