イナズマ | ナノ


拍手の高校パロ設定。
無駄に雷鳥さんと豪炎寺君がラブラブしてるから注意(笑)
―――

「秋ちゃんはさ、」

 バタンと何かが倒れる音と共に不意に声を掛けられた私は目の前にいる親友に目を向けた。彼女の表情は何処か疲れた様子で倒れた……正確には彼女が手を放したせいで倒れた雑誌の見つめる。普段見せない彼女、飛鳥ちゃんの姿に内心驚きながら私は首を傾げた。

「どうしたの、飛鳥ちゃん?」

 何か元気無いみたいだけど……。と溢せば途端に飛鳥ちゃんはうがぁぁぁぁ!!と呻いて頭を抱えると机に突っ伏してしまった。突然の行動と普段は大人びた雰囲気を出している飛鳥ちゃんの様子に何事かとクラスの皆から視線が一斉に集まって来る(え、えっ、これ私がいけなかったの?!)
 ……高校でも飛鳥ちゃんはその人柄と中学時代の経歴から人気がある。勿論、他のイナズマキャラバンのメンバーも人気者だ。否応なしに皆からの視線が集まる。それも加えられて、突き刺すような皆からの視線に居たたまれなくなって恐る恐る飛鳥ちゃんの肩を触れれば、もう一度飛鳥ちゃんは呻くと今まで彼女の下敷きとなっていたあの雑誌をフラフラとした覚束ない手で渡してきた。因みに顔はまだ突っ伏している。

「料理……雑誌?」

 飛鳥ちゃんから渡された雑誌を見ればそれは美味しそうなお弁当を写した料理雑誌だった。しかも、これで気になるあの人を落としちゃおう!というキャッチフレーズの付き。何気無く頁を読み流して見ても、分かりやすく書かれた写真付きのレシピが書かれている。これなら料理が苦手な人でも出来そうだ。……だけど、何故これを飛鳥ちゃんが?そう思った時やっと飛鳥ちゃんが机から顔を上げた。乱れた髪の毛を直して回りに聞こえない様、小声で口を開く。

「その、修也にね……」

 その一言で漸く理解が出来た。成る程ね。と頷けば飛鳥ちゃんも恥ずかしそうに頬を染めて顔を隠していた。……飛鳥ちゃんと豪炎寺君が付き合っている事はこの学校では皆が周知済みだ。悪く言えば公認カップルと言わざる終えない程のバカップルっぷりを見せている。……主に豪炎寺君が。中学時代のメンバー、特に私達サッカー部メンバーは彼の性格があんなにも急激に変わったことに驚いていた。勿論私達マネージャーは元々豪炎寺君が飛鳥ちゃんに好意を寄せていたのは知っていたし飛鳥ちゃんも彼女が気づかないだけで豪炎寺君の事を気にしていたのは気づいていたから色々と努力をして豪炎寺君を応援してたけど、……本当に中学時代の飛鳥ちゃんは酷かった。鈍感過ぎて私達がよくヤキモキしてたのをよく覚えている。それに飛鳥ちゃんはサッカー部内でも人気があったし、彼意外にも好意を寄せていた人は何人もいた。水面下で行われる彼らの戦いを見ながら、いい加減告白しちゃいなさい!と豪炎寺君に夏未さんが叱咤していた事もまだ記憶に新しい。
 でも無事彼らのも付き合い始めたのだから人間、変わるものだなぁ。と過去のライバル達には悪いなと思いながら思い耽っていると、飛鳥が心配そうに此方を見ていることに漸く気がついた。いけない、少し考え過ぎたかも。

「だ、大丈夫……秋ちゃん?」
「あ、うん!大丈夫だよ、ごめんねっ」

 それで、どうしたの?と尋ねれば飛鳥ちゃんは困ったようにモジモジとしながら少しして、意を決したのか目の前で手を会わせて小さく頭を下げるとこう言ってきた。

「お願い秋ちゃん、アタシとお料理して欲しいのっ」
「お料理って……豪炎寺君に作ってあげるお弁当?」
「……う、うん」

 飛鳥ちゃん曰く料理は作れるけど、男の子が好きそうなオカズやお弁当のレパートリーが良く解らないらしい。だから私に相談をしたとか。どうせなら豪炎寺君に喜ばれるようなお弁当を作りたいと恥ずかしそうにポツポツと小さく口にした。(それから先はゴニョゴニョと呂律が回らなくなって顔を真っ赤にしてショートしていた)
 その様子を見ながら本当に変わったなー飛鳥ちゃん。と成長した親友の姿に自然頬が緩む。それと同時に以前飛鳥ちゃんに対して恋する乙女だわ。と茶化すリカちゃんの声を不意に思い出す。これは本当にリカちゃんの言う通り恋する乙女の姿だ。こんなに愛されてる豪炎寺君が少し羨ましいな。と思いながら大好きな親友の為、ここは力を貸さなければ!と俄然やる気が沸いて来る。

「良いよ、飛鳥ちゃん。一緒に頑張ろう!!」

 立ち上がった私に飛鳥ちゃんは嬉しそうに顔を明るくさせ、立ち上がるとお互いに手を取り合いピョンピョンと小さく跳び跳ねた。……その瞬間、豪炎寺君が教室に現れ一目散に雑誌を隠したのはまた別の話。


―――
無駄に長い割りに意味解んなくなった。

2010/01/06

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