※イナズマ連載番外編(ヒロインは雷鳥 飛鳥で固定) 雷鳥さんと豪炎寺君の小さい頃のお話!
「女なんかとサッカーしてるなんて格好悪りぃ!」
そう言って来たアイツ等に俺は思わず手を出してしまった。俺の事はどうでも良い、……ただ飛鳥を馬鹿にしたアイツ等が凄くムカついのだ。俺が手を出したことでケンカになって、取っ組み合いになる。2対1の人数差で呆気なく俺は負けてしまった。 それが凄く悔しくて、誰にも見られないように公園のブランコに座って悔し泣きしていると、トテトテと此方に走って来る足音が聞こえて俺は顔を上げる。
「しゅうや、みーっけ!」 「……なんだよ、あすか」
一番見られたくない相手に泣き顔を見られて俺は慌てて手で目を擦った。飛鳥は不思議そうに俺の顔を見たが、直ぐに笑顔を浮かべる。
「しゅうや、夕ごはんまで一緒にサッカーしよう!」
にこにこと笑って飛鳥は俺の手を握ると、力強く引っ張ってきた。よく見れば飛鳥の脇にはしっかりとサッカーボールが掴んであって、(無理矢理)俺達は公園の真ん中に来るとパスを回したりしはじめる。
「アタシね、しゅうやが一緒にサッカーしてくれて凄くうれしいんだー」
そう言って笑ってくれる飛鳥の笑顔に俺も自然と笑みが溢れていた。 ……多分飛鳥は俺がケンカをしたのを知っていたと思う。飛鳥も馬鹿にされて辛い筈なのに、何も言わないでくれる。その飛鳥の優しい性格に、その笑顔に、いつも俺は甘えてしまうのだ。
(お前の笑顔に、俺は何度も助けられてきた)
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