「< ――選手、見事ゴール!! 逆転勝利だぁぁぁぁぁぁ!! >」
テレビ画面から流れてくる実況者の声にアタシは苦笑を洩らした。(角間君、ホント変わらないなぁ……、)そして同時に安堵を覚える。それに反応する様にアタシの宝物が動く。
「良かったねーパパ、点入れたよ」
膨らんだお腹を優しく撫で、アタシは微笑んだ。……アタシとあの人との、大切な宝物。 流石あの人とアタシの子だけあって、サッカーの中継を見たり、話をしていると、まるで仲間に入れて!とでもいう様に頻繁にお腹を蹴って来る。 だから本当はこの子の為にも試合を観にに行きたかったんだけど、この子に何かあったらどうするんだ!!って言って許してくれなかったのだ(何だかんだで心配性だよね) そこで画面が突然角間君達、実況者達へ変わり、アタシは再び視線を戻した。
「< あの選手は今年サッカー界のアイドル、雷鳥 飛鳥選手と結婚しましたよね >」
角間君の隣に座る知らない実況者が不意にアタシの名前を呼んで来るので思わず吹き出してしまう。飛鳥さん見てますかー?とテレビ越しに手を振られ、呆れて声が出なかった。(何してんの、このオジサン。っていうか、角間君止めなよ……) 永遠とアタシの話をするオジサンに居心地が悪くて番組を変えようかと思った時、傍に置いておいた携帯が光った。画面を見れば、発信者はアタシの旦那様。 直ぐに通話ボタンを押し、声を掛ければ、不機嫌そうな彼の声にアタシは苦笑を洩らしてしまった。
アンダンテ (< ……何だあの解説者 >) (あははっ、確かに!っていうかアタシもう貴方の苗字なのにね。……あっ、動いた) (< !! >)
――― 只の自己満(笑) 見たい!って言って下さった方々がいらっしゃったので、載せました。
2009/11/23
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