イナズマ | ナノ


 アタシは困っていた。そう、この状況に。前方にはもう見飽きた3人の顔。どれも不機嫌そうな表情を浮かべている。

「いい加減にしてくれないかなガゼル、バーン。今日は僕が飛鳥と一緒にいるんだ」
「煩いよ、グラン。それは飛鳥が決める事だ」

 それに今日は私と出掛けるんだ、とガゼルがイライラした様に自身の髪を弄った。(確か一緒にアイスを食べに行くっていう話かな)
 バーンも敵意剥き出しの表情でグランを睨みつけていて、2人に睨みつけられたグランは笑っていたけど、額に青筋が経っていた。(あ、やばいグランがキレた)

「……僕も皆とあまり争いたくは無いけど、これだけは譲れないな」

 そう言ってグランはアタシに顔を向けると、危ないから少し離れてて。と笑みを向けてくる。(その表情の後ろに、何か恐ろしいものが見えた気がした)アタシも無言で何度も頷くと、一目散に3人から背を向けて走り出す。その瞬間、激しい爆発音が聞こえた。
 その音と爆風を受けつつ、アタシは小さく溜息をつき、声を洩らした。


あーあ、
(こりゃ、また吉良叔父様に怒られるな……)


―――
大して意味は無い。

2009/11/10

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -