text | ナノ
(Tumblr元画像:http://ginga-utage309.tumblr.com/post/42499638597)
ばしゃ、ばしゃ、ばしゃ。波を蹴散らす。
「気持ち良い!」
砂浜を真っ直ぐ真っ直ぐ歩いてきた彼女は、そういって声を上げて笑った。両の手にはそれぞれ靴と靴下を握って、頭には大きな麦わら帽子が乗っている。彼女の目的地は、不明だ。
「ねえ!」
「なあに?」
「このままずーっとずーっと歩いて行ったら、どこに着く?」
「そりゃあ、砂浜の端っこじゃないの」
「・・・それはつまんないね」
「それが現実ってもんだよ」
「でも、こうやって波を踏んで歩くのはとっても楽しいから、やっぱりずーっと歩いて行こうね」
「うん、いいよ」
20130207