風邪気味天使
小説 長編 | ナノ

Story               


「やっぱトマトは夏が一番だよな」
「トマトサイコー!!」

マットと名前の目の前には、甘酸っぱい、小さな太陽の籠が。
もぎたてらしく、どれも瑞々しい。
噛めば、じゅわ、と甘酸っぱい汁が口の中でいっぱいになる。

「うは、うめ」

マットはトマトが好きらしい。

「おい、お前ら」
「お、メロもトマト食べるか?」
「あ? トマト?」
「何だよメロ、トマトは苦 手ですか??」
「うるせえ食えるわトマト如きでギャーギャーと」

あーあ。マットったらまたメロの機嫌損ねちゃって。
でもよく見れば、メロも美味しそうに大きなトマトを頬張っている。

「うまいだろ? 名前の友達に貰ったんだぜ」
「お前が自慢することじゃないだろ」
「毎年貰ってるんだけどね」
「去年のも美味しかったが今年の方がうまいなあ!」
「はは、マットがトマト好きか」
「うるさいぞメロン君」
「黙れトマト君」
「あれだね、『マットマト』」
「はははっ」
「おい笑うなそこ2人」


楽しそうに笑う2人。

こんな時間が永遠に続けばいいのに。

今日の笑顔はトマトのおかげ?


私はまた1つ、トマトを頬張った。



メロン君とトマト君


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