風邪気味天使
小説 長編 | ナノ

Story               


「彼女が出来た」


突然の告白。

私は頭が真っ白になった。



「可愛い?」

「ああ」

「優しい?」

「ああ」


目も合わせてくれない。
もう私なんてどうだっていいのね、



そういえば「好き」って言ったことなかった。
メロにとって、私はただの女友達だったんだろう。


名前は暫くの間部屋で泣いていた。
暗い部屋の中で一人、泣いていた。

空を見上げると月が出ていた。



「名前」

「!」


名前ビクッとし、後ろを振り向いた。
メロが優しい眼差しでこちらを見つめている。


「名前、お前、今日が何の日か知ってるだろ?」

「え?」

「4月1日」

「ん……ぁ……エイプリルフール?」

「御名答」


あぁ、何だ……エイプリルフール、か。


「ちゃんと言ってなかったな」

「?」

「……名前、愛してる」

「それは、嘘に入る?」


んなわけねぇ、と言って顔を背けるメロ。





ねぇ、メロ。
私も、愛してる。




大嫌い


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