「ツナさんツナさんツナさーんッ!!」
「ハル!?」
「ごっ、獄寺さんが酷いんですよー!!」
「…はぁ、またかよ……。」
初夏の夕暮れ、俺は母さんから頼まれた買い物を済ませて帰路についていた。(味噌くらい自分で買いに行けよな、母さん…)
しかし途中で会ったハルに捕まり、こうして愚痴を聞かされるハメになっていると言うのが今の現状だ。
そう言えば最近ハルが俺から離れだした。まぁ京子ちゃんが好きな俺としては、疑われる要因が無くなって嬉しいんだけどね。(以前、黒川に疑われて交渉持ち掛けられた事もあったし…)
そんなハルが今追い掛けてるのは、あの獄寺くん。
まったく…リボーンだったり俺だったりと彼女の恋はどうして周りを巻き込むのだろう。例えれば嵐みたいな女の子だ。
「ツーナーさーんー!?聞いてるんですか!?」
「き、聞いてるよ!」
「もうっ、獄寺さんってば。恥ずかしがり屋なのは可愛いから良いんですけど、逃げるのは止めて頂きたいですっ!逃げ足早いんですからー。」
疲れましたー、と言いながら道端にしゃがみ込むハル。
いや、いくらアスファルトだからって汚いんだから…ぺたりと座り込むのはやめた方がいいと思うんだけど…。
そんな俺の気遣いはお構いなしに、俯いていじけ出す始末だ。
ことある事に巻き込まれる俺の気持ちにもなってくれ!!
「獄寺さんは全然構ってくれませんしー、ハルの事嫌いなんでしょうかねー…?」
「そ、そんな事無いと思うよ?それなりにハルの事も気にしてるし、嫌いって事は無いと思うけど………って、うわぁ!?」
「そう、そうですよね!!あれは照れ隠しですよね!!よーし、待ってて下さい獄寺さん。今から貴方のハートを射抜きに行っちゃいますよー!!」
ハルがいきなり立ち上がって叫び出し、猛ダッシュで何処かへ行ってしまった。絶対に獄寺くんの所だろう。
本当に嵐が過ぎ去ったような感覚だ。
ハルも行った事だし家に帰ろうと、踵を返して歩き出すと向こうから見知った顔が歩いて来た。
「あれっ、獄寺くん!?」
「十代目!!今お帰りですか?」
「うん、母さんに味噌買って来いって言われてね。」
「ああ、お母様が。」
ほらコレ、と小さなレジ袋に入った味噌を冗談めいて持ち上げてしばらく二人で談笑していた。
しかしふと、先程ダッシュで獄寺くんを探しに行ったハルの事を思い出す。
「あ、獄寺くん。さっきハルが」
「あのアホ女、十代目に何かしたんですか!?」
「いや、違うよ。さっきハルが獄寺くんを探しに行ったから行き違いになっちゃったなーと思って。」
「あのアホ女ッ…;」
俺が言った途端にそわそわしだす獄寺くん。
ああ、もう暗くなって来てるから心配なんだ。ハルの言う通り素直じゃない。
それに加えて…本当はハルの事大事にしてるんだよね、獄寺くんは。これは俺とリボーンくらいしか気付いてないかもしれないけど。
「獄寺くん、」
「何ですか?」
「ハル、ちゃんと迎えに行ってあげなよ?」
「………はい。」
失礼します、と頭を下げた獄寺くんはハルが行った方向に走って行った。
それを見届けた俺は夕焼けが漆黒になりかけた空を仰ぎながら帰路についた―――。
「あの馬鹿…何処まで行ったんだよ…。」
ぽつりと呟いて立ち止まる。
あれからハルが行きそうな場所を探したが見付からない。
残るは一ヶ所だけ。現在獄寺が居る入口の中側…並盛公園だけ。
「後は此処だけか。居てくれよ…。」
また呟いて入口から公園の敷地内へ足を踏み入れる。
しばらく辺りを見回していた時、ふと砂場を見れば探していた人物がそこに居た。
砂場の縁に座ってボーッと空を見ている彼女を見付けて急に安心感に襲われ眉間が緩むが、直ぐにいつも通りの表情で砂場に駆け寄る。
「このアホ女!!」
「…獄寺さん!?」
「何してんだ、帰るぞ。」
「迎えに来てくれたんですか?」
「十代目に言われたからだ、別に探したくて探しに来た訳じゃねーからな!」
「ふふっ、そーいう事にしといてあげまーす。」
「うるせーな、置いてくぞ!!」
「はひっ、それは困りますーッ!!」
大丈夫、
君の想いはもうきっと
大切なあの人に届いてる。
素っ気ない態度は多分、
キミへの愛情の裏返し!
夕闇色の恋模様
(獄寺さん、ハルに惚れました?)
(誰が惚れるか、)
感謝の言葉
ぎゃあぁあ!!!!!可愛すぎる可愛すぎる!!ちょもう可愛い!!!!(落ち着こう)
初々しい感じがたまりませんね!私には絶対に書けない純粋な獄ハルです。可愛い!!
本当恵奈様は私のツボを的確に突くから大好きです←
とっても素敵な獄ハルを有難う!!!!一生の宝物にします……!!