「獄寺さんの手、すごく冷たいです」
俺の手に触れた瞬間、ハルは眉をひそめて言った。
「そうか?お前の体温が高いんじゃね?」
「違います。獄寺さんの手が冷たいんです」
「寒いからだろ」
「寒いんですか?」
「冬だしな」
もともと体温は高いほうじゃねえが、今俺の手が冷たいのは寒いせいでもあるんだろう。
するとハルは俺の手をしばらく弄んだあと、ポケットから白いものを取り出した。
「ホッカイロです」
「ホッカイロだな」
「これがあれば温かくなります」
そう言うと、ハルは俺の手にホッカイロをもたせ、さらにその手をハルの両手で包み込んだ。
「お前の手、あったかいのな」
俺の手を包み込む温かさに、体の力がスゥと抜けたような気がした。
顔が緩む。
「なぁ、」
「はい?」
「どうせ温めんなら、体ごと温めてくれよ」
「はひッ!か、身体ごとですか!?ご…獄寺さんのスケベです!エロです!!」
「何でだよ!?」
こいつの思考回路はどうなってんだ!
てゆーか、今の台詞ちょっと恥ずかしかったんだぞ!
「……でも…」
「あ?」
「ハルはなんだか、ちょっと体が火照って熱いので、獄寺さんが冷ましてください」
顔を真っ赤にして俺に抱きついてくるハル。
素直じゃねえな、なんて思ったけど、それは俺も同じなので黙っておく。
ただ、俺の胸に顔をうめて、体をぴたりと密着させているハルを、可愛いと思ってしまう。これはどうしようもない。
「獄寺さん、体温上がりすぎです。熱いです」
「うっせ…」
ほんのり熱くなった頬を、ハルに見られないように、彼女をギュッと抱き締めた。
「獄寺さん」
「ん?」
「あったかいですね」
「……おう」
俺たちのすぐ傍には必要なくなった使い捨てカイロが落ちていた。
「これなら、ずっとカイロは要りませんね」
「…そーだな」
君、ぬくもり
君が居れるから温かい―…
ありがとうございました!
私も温かくなりました´ω`*←
何でしょう!このぬくもりは!!心の底からじわじわ来ますね。あの甘さとぬくもりは素敵過ぎると思います。
捺倉様、本当に有難うございました!こんなサイトのために書いて下さって!
気付かれないようコソコソ見に行っている微ストーカーな管理人ですが、これからも宜しくお願いします!!