出来のいい弟 | ナノ


AFTER―その後いかがですか a



俺が幼稚園年中の頃だったか…まぁそれくらい。
姉ちゃんが理不尽におもちゃを奪うから、つい手を上げてしまった。
叩かれ慣れてない姉ちゃんは火がついたように泣き出して、親は俺を叱った。
何があっても暴力に頼るのは恥ずべき事だと。

俺もそう思う。

そう思うけど…。

親の話もそこそこに俺は泣いている姉ちゃんから目を離せなかった。

――湧き上がるある欲求。
心の奥が煮え立つような熱い衝動。
俺は同時に怖くなって、二度と、姉ちゃんに乱暴はしないと誓った。


そうしないと歯止めがきかなくなるってわかってたから。



▽弟AFTER
―その後いかがですか?―



あれから一週間が経った。
七月後半…夏休みが始まる。

廉はここずっと朝から晩まで受験講習に行ってて、生活リズムからして昼間はあまり顔を合わせなかった。
それでもすれ違う廊下とかでは挨拶も会釈もないぎこちない関係…つまりいつも通りだ。

――でも夜は違った。

親には勉強を教わると言って私の部屋に来て、それからはただ無機質に廉の欲を発散するだけだ。
黙々と作業のように私をベッドに押し倒しては、ひたすら出して、勉強なんてまるでしない。

(親には暴露たくなくて)声を殺して抵抗する私だったが、それさえ奴に火を付けるらしい。より乱暴に抱かれるので私は打つ手がなくなった。
ただ良かったのは、あれ以来ちゃんとゴムをつけてされる事だ。さすがの廉もマズイと思ったのかもしれない。

あぁ…どうしてこうなったのだろう。




……夜の十時半。

今日、両親は旅行に出ている。毎年結婚記念日は互いの休みを合わせて二人旅行…つかの間の夫婦団欒を楽しんでいる。
普段なら気にも留めない両親の不在が耐えられなくて、私は夏期講習を終えても直ぐに帰らず、外で時間を潰すことにしたのだ。

玄関のドアを開けると、中は鬱蒼と沈黙を守っていた。

物音を立てないように中に入って靴を脱いでいると、人の影が動くのを感じた。
真っ暗な玄関で廉が床に腰を下ろしてる。

もしかして、ここでずっと私を待っていたのだろうか。

「何して…!?」
「どこに行ってたんだ」
「え?」
「帰り、遅いんだけど」

廉が変に抑揚のない声で私を見た。薄暗いのもあって表情の判別がつかない。

「母さん達が居たら姉ちゃん怒られるんじゃねえの」
「そうかも…だけど、それが何?」
「だから、どうしてたのかって聞いてるんだ!」

もしかして廉、怒ってる…?

急に大きな声を出されて背筋がヒヤリと震える。廉は大きなため息をついて、私の腕をキツく握ると、私の部屋に向かった。

―ドサッ!

「ぎゃう!いった…!」

ベッドに投げ出されてもがくのも束の間、廉の膝がベッドに乗って、ギシッと音が鳴った。私の横まで体を近づけて…、真っ直ぐこっちを見た。私は色んな気持ちが混ざって、冷える肝…生唾を飲んだ。

廉はいつもより低い声を出す。
――私を抱く時の声だ。

「さぁ、答えろよ…!何処に居た?」
「……友達の家、だよ」
「女?…それとも男?」
「女の子、だけど、それがあんたに何の関係があるの……っ!?」

腕を強く掴まれて、体が強張る。
私の言葉がまた気に障ったらしい、更に粗野に腕がねじられる。

「俺をあんまりイライラさせんなよ。危ないだろ、こんな遅くまで出かけてたら。わかってんのかよ」
「痛い、痛いよ廉…っ!」
「女がこんな時間に帰ってくるってことはナニしてたか疑われても仕方ねえんだよ」ギリッ
「いっ!」
「もっかい聞くけど、何してたんだ」
「ふ、つう、に!友達の家で雑誌読んだり、してただけだってば!」
「へぇ…?」

納得してなさそうな廉が、私の体をじっくりと見た。…それでも私の言葉をいまいち信用できないらしい。

「ほんっと口の聞き方がなってない…生意気な態度も変わらない。いつまで姉ちゃんは俺より上の立場でいる気なの」
「そんなの、…思ってない」
「あんまり勘違いしてっから…俺は教えてやってんだよ。馬鹿で愚鈍な姉ちゃんの、その体にな」
「え!?」

―ちゅうぅ…っ

体を引き寄せられて、キスされる。最初から舌が侵入して、あっという間に口内を冒された。
何故か苛立ちを隠しきれない様子の廉が私の背中に手を回した。制服をまさぐって、直に肌に触れる。

「や、やだ、廉!」
「ん…はぁ…ッ、姉ちゃん…」ちゅっ
「待っ、……ゃ…ぅう!」
「そう、”教えて”、やってんだから、大人しくしろ…!」

廉が壊れたラジオみたいに私を呼ぶ。

戸惑う私なんて気にも止めず下着を外し、あっという間に胸に掌が触れた。それが存外優しくそこをなぶる。
正反対に奴の呼吸は走っていて…、熱く掠れた呼吸…、大きいため息が途切れて興奮が感じ取れる。

「今日は母さん達帰ってこないから好きなだけ声出していい。今まではいつ親が入ってくるかひやひやしただろ」
「なっ!声なんて…んゃ、きゃぁ!」
「ふ、…そうやって喘いで、叫べよ」
「あぅ、ぅ、…っ!!」
「腕で口、抑えんなって。…チッ、仕方ねーな」
「!…ゃ、廉、」

私の制服のスカーフを奪って、それで両手が拘束される。後ろ手に括り付けられて、いよいよ逃げ出せなくなった。廉の体が目の前にあって、私に影を落とす。

「良い眺めだ、似合ってる」
「何言って……ぁう、…んんっ!」
「ふ、ちょっと触られただけでそんな声出るんだ。姉ちゃんって淫乱だよな、誰に開発されたんだよ」
「かいはつ、とか、ないから…!」
「今日会ってた奴?それとも別の奴?」ぎゅぅ
「っ!うぁ、…痛いよ…!」
「女だなんて信用できない。こんなやらしい体、男がほっとくわけないだろ」
「ひゃう、ぅ…!?」

ーちゅぱ……ッ

廉の舌が乳首に触れる。ヤる度に私の良いところを覚えて、作って、執拗に責めるから体が変に反応してしまう。

「毎日毎日抱いてやってんのに、まだ足りなかった?」
「そんなんじゃ、ないってば!」
「その度に俺を受け入れて、ヤる度に感じてるくせに」
「ひゃっ、ぁ、あぅ、…!」
「教えてやらないとな、姉ちゃんの立場…。二度と勝手な行動なんて出来ないようにしてやるよ」
「ん…っ、ぁ、廉、!?」
「指、一気に三本入った。ここぐちゅぐちゅだ、興奮したのか。俺に酷いこと言われて」

大きく音を立てて見せつけるように下半身をまさぐる。悪趣味なまでに濡れた音が耳に襲いかかった。

「はぁっ…姉ちゃん、ひくひくしてる。そんなに俺の入れて欲しいんだ」
「廉、廉くん、待って、…!」
「ん…わかった。じゃあ俺のを口で抜いてくれよ」
「…っ!?」

廉の下半身がの目前に来て、自ら取り出したアレが頬に押し付けられた。硬く膨張して先端から透明な液体が流れている。

「ほら…姉ちゃんの好きなやつだよ。早くしろ」
「廉くん、やだよ……」
「あのさぁ、いつになったら学ぶわけ?ちょっとは賢くさ…その口で俺を気持ち良くしろよ」
「う、うぅ…、」
「それとも…さ、酷くされたいのか。乱暴に犯すだけじゃ足りないのか。もっと打ったり、叩いたり…そういう方が好きってんなら…それのが俺はいいけど」
「え、ええ、いや、…っ!」
「…まぁ、しない。今はな。けどあんまり姉ちゃんが言うことを聞かなかったりすると…な?」
「ぅ…」

乱暴に髪を掴まれて、私は恐る恐る目の前のモノを見る。さっきより上を向いていて熱を持ってる…。

廉は息を吐いて、私に続きを促した。


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