たまに、思い出す。それはきっかけも理由も夢もなくただただ突然に。良い思い出だけれど、だからこそ残酷な儚いものに為り得るのだ。

私は普通の女子高生だった。それから就職があって、普通の人生が在ったんだと思う。けど、それはある日突然一変した。普通の人生とは真反対な道を歩まなければならなくなった。何故なら、サイコパスの色相が濁ってしまったからだった。けれど、濁ってしまっただけで冷静沈着な私は公安局と契約して執行官になって、公安局刑事課第一係に配属された。
それから可もなく不可もなくただただ自分が自分で在れる為に任務をこなし、生きてきた。配属したての頃は冷静に、冷淡に、冷徹に生きようと思っていた。それが身を守る術なのだと思い込んでいたから。…だけど、違うと知った。それは、…――狡噛慎也、という同じく執行官の男性のおかげだ。
最初の慎也の印象は、淡々とした人、だった。何にも興味が無さそうで、何にも感じないようだと。周りからは少し怖がられている所もあるらしい。私にはそれが分からなかった。でも関係無いし関わろうとしなかった。
ある時、私は任務で少しミスをした。前の標的に気を取られて、後ろの、実はもう一人の潜在犯に気が付かなかった。思いっきり肩を強打され、しゃがみ込んだ私は生を諦めた。ああ、こんなところで死んでしまうのか。随分と呆気ない幕引きだ、と。その時、ぱん、という音と共に肌にびしゃびしゃ、と生暖かい何かが張り付いた。うっすらと目を開けると、あの狡噛慎也がいた。状況を理解して、私は立ち上がり、礼を言った。狡噛慎也は気にしないで良い、任務でもあると言った。何となく好感を抱いた。その後、私は脱臼していた肩を治療をして、狡噛慎也の元へと向かった。何か用か?と言った彼に、私は貴方の事を知りたい、と言った。いつか借りを返せるまで、側にいたい…とも。分かりにくいが少し驚いたような表情をしてから、好きににしろ、と呟いた。それから私は皆とコミュニケーションを取るようになったし、随分と元の自分を見付けられた気がした。

今でも、やはり昔の自分を羨む時がある。壊れる前の自分を誰かに壊して(殺して)欲しかったと。それでも私は此処にいる。それは今が嫌いじゃないから、だ。勿論、嫌いじゃないけど好きでもない。けれど、公安局の皆が私は好きだ。

「…ね、慎也」
「どうした?」
「ずっとずっと隣に居させて。借りを返しても、ずっと。私が死んでしまう、その瞬間まで」

特に、慎也は別格。私に私を取り戻させてくれた。色を失った世界に、色付けしてくれた。私はたぶん、慎也に依存してる。今の私の色相の濁りはその依存の危うさが9割だと言えるくらいには。私達は潜在犯であり、執行官だ。軽々と愛を伝えられる人間ではない。だからこそ、代わりにずっと同じセカイで寄り添って生きていたいの。

「ああ。…――でも、お前は死なない。…死なせたりなんかしない。護って、みせる」
「…う、ん。私も、絶対慎也を護るよ」

きっと、私が此処に在る理由がある。それは貴方を護るためだと信じたい――…。










**
◎失ったものは戻らない
けれど、此処で見付けたものが有る

初の慎也夢ッ(`・ω・´)
うーん、しかしまあ慎也じゃないねー二番煎じ←←
まあアニメ二話までしか見てないしね、さすがに難しいなあうむむ…。愛だけはたっぷりと詰まってますけどね!!ふふー

まさか1日に2話書くことになろうとは…。自分どんだけPSACHO-PASS好きなんだ(^q^)
余談ですが、ちょっぴりEDの雰囲気意識してたりして←





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