夜も更けた頃。私は寝れなくて、たぶん起きているであろう慎也の元に向かう。私達執行官でも一応個室は与えられている。…と言っても私の部屋はあまり物を置いていないんだけれど。
こんこん、と部屋の扉をノックして待っても主が出て来ないので、勝手に入らせてもらった。すると、何かを叩く音が聞こえて、ああ、鍛えてるのか、と納得。とりあえず終わるまで邪魔しないように、とひっそり眺める。

「…かっこ、いい」

はっ、と口をつぐんだ。思わず口に出るとか阿呆だ。いや、でも、だって。…あの体つきとか本当に格好良いし。うん。―…とか言い訳してみても逆に羞恥心を煽るだけなので止めた。自分の手のひらで頬を触ると、熱を帯びていた。

「…――いつまで見てる気なんだ、名前」

ぽたぽたっ。水の滴る音と、慎也の声で我に返った。っていうかバレてたのか。ぼーっとして見ていた景色を焦点をちゃんと合わせてみれば。

「…はわっ、」
「…?」
「――あ、何でもない。気にしないで、うん!」

危なかった…っ!!何あれ何あれ何あれ!!水に濡れて髪の毛掻き上げる仕草が妙に艷っぽくて、思わず驚きの声が…。これは私悪くない…よ!

「いつまでそこに突っ立ってるつもりだ。…座りたいなら座れ」

それと同時に私へと飛んで来た物をキャッチして見てみれば、水のペットボトルだった。…あらま親切。言葉に甘えて私は慎也から1メートル位間を開けた所にある、トレーニングの道具に寄っ掛かった。その間に慎也は慣れた手付きで煙草を吸っている。

「あまり煙草って身体に良くないんだからね」
「…ああ」
「まあ、止めらんないのは分かるけど」

手に持っているペットボトルの水をこくりと一口含む。しっかりと蓋を閉めてから、ちらりと慎也を見れば目が合ってしまって慌てて目を反らした。

「名前」
「な…に…、っ!」

ちょっぴり気恥ずかしくなりながらもゆっくりと振り向けば、音も立てずに慎也が寄って来て、突然のキス。ちゅっ、なんて可愛いらしいリップ音が鳴った為に、尚更驚きと羞恥が高まった。…けど、嫌…じゃない。

「くく、間抜け顔だな」
「…だ、だって…慎也がいきなり…」

至近距離で見る、珍しい慎也の笑った顔。…とくりと胸焼け時のように心臓辺りが熱も持ったような気がした。

「いきなり、何だ?」
「…――きす、するんだも、っん!!」

1メートルもない距離をまたゼロまで埋められる。今度は深いキスで、腰が抜けそうなくらい気持ちが良い。それは、キスが巧いからか、それとも、慎也を…。はたまた、そのどちらもなのだろうか。
この深い深い永久にも思える艶かしいキスが終わる頃にはきっと理解出来てるだろうと自分で感じた。だから、今はただこの雰囲気に酔いしれていよう。










**
◎愛が聞こえない午前2時
それでいい、聞こえなくてもお互いの重ねている手のひらの中に隠しているだけだから

PSYCHO-PASSの三話が…っ!!あの仕草は反則だと思います(^q^)←
あの体つきと仕草に叫んだのは私だけでしょうかww

いつの間にか慎也愛し過ぎてる海月がいます←



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -