―――の日に、全国の審神者の集会があります故。
長である華様も、御出席をお願い致します。


空木・・・。


と、書かれた文は庭に紙飛行機になって落ちている。
華の部屋の障子は閉められていて、中は見えない。
しかし、複数の声は微かに聞こえてくる。


「大事な舞台なんだ、長として華ちゃんはかっこよくいかないと」
「何いってるんだ光坊、可愛くめかし込んでこそ華だろう」
「華ちゃんを可愛くすることを拒否しているんじゃないよ鶴さん。大事な集会なんだよ?他の国の審神者もくるんだから、長らしくきりっとしてもらいたいんだよ」
「言い分は勿論理解している。だが、やはりお嬢は華やかでいてこそだろう!」
「からちゃんこれでいいの?」
「嗚呼・・・問題ない」
「待って伽羅ちゃん何抜け駆けしてるの!?」
「伽羅坊。驚ろかせてくれるじゃないか」


姿身の前で、袴を穿いている華と何やら着物らしきものを手に持っている
大倶利伽羅の手をとっさに光忠と鶴丸はつかんでいた。


そう、偶然集会に出ることになったのを聞いた三人。
誰が言いだしたのかは覚えていないが、衣装を決めることになったのだ。
そして、結構な時間が流れているが、衣装が決まらずにいた。


曰く、光忠はかっこよく長としての威厳が幼い華でも出せるように。

鶴丸は可愛らしく着飾らせたい、これである。

大倶利伽羅は、着物の柄等見た目からして、美しく、なのだろうか。


「華、どれ着ればいいの??」


全く困った様子もなく、わくわくしながら答えを待っている華に
三人は内心(眩しい!!その笑顔眩しい!!)と待たせていることを心の中でだけ謝罪していた。


「これはどうかな、黒の―――」
「華には、黒よりも白だろう・・・」
「伽羅坊、それは俺も同意見だ!お嬢はやっぱ白だな!」
「た、確かに白が一番似合うけども、でも何色も似合うよ!」
「・・・同意する」
「それも言えてるな・・・」
「華も白好きだよ!」


じゃあ白でいこう。
そうしよう!
それでいい。


「刺繍は何がいいかな・・・」
「鼓なんてどうだ?」
「花本・・・」
「菊も悪くないよねえ。華ちゃんは何が好き?」
「んと、うめが好き!」
「梅かぁ、悪くないな」
「オーケー、僕らの意見ばかりおしつけるのもあれだしね、決めるのはやっぱり華ちゃんだもんね」
「・・・・嗚呼」


スパ―――ーン!!!


突然障子が開き、そしてしっかり閉められる。
ずかずかと部屋に押し入り、山になっている着物から
特定のものを引っ張り出す人物。


「え?・・・貞ちゃん?」
「貞坊じゃないか!」
「・・・・貞宗・・・」
「主に挨拶しにきたら知ってる気配感じて黙って話きいてたけど」


長すぎるんだよ決めるの!!
簡単なことだろ!!


「派手にいけばいいんだよ!!」


白で刺繍は御所車!!髪飾りは桜な!それから巾着の柄はこれで
下駄は鼻緒に柄を入れる!!んで化粧を控えめの可愛らしくして――――




こうして、華はとても素晴らしく着飾って、
護衛に四人を連れて集会へと向かうことになるのでありました。




――――・・・
貞ちゃんゲット記念。貞ちゃん登場のお話でした。









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