「わああああんっ!!」


どこかから届く泣き声に、皆の動きが止まった。
審神者は「おやまあ」と酷く冷静でいたのだが、


「華様!!御無事ですか!?平野が今参ります!」
「同じく前田も!!」
「秋田も行きますっ!」


物凄い速度で飛び出した短刀兄弟の影に、苦笑を漏らした。


「乱!華様は!!」
「ここだよーっ、誰か縄もってきてくれない?」
「何だこの穴!?落とし穴か?」
「誰の悪戯かわからないけど急に穴があいて、一緒に落ちたんだよ」
「乱!怪我ねぇか!!」
「薬研兄!平気だよ。ボクより華様を早く出してあげて」
「!・・・・わかった。すぐ縄取ってくっからな」


結構な深い穴であった為時間がかかってしまったが、
何とか二人を助け出すことが出来た。
乱にしがみついて離れない華に、一同は怪我でもしたのかと
不安がぬぐえないでいた。その中で、薬研と後に慌てて駆けつけてきた
一期一振の二人だけが何かに気づいたように落ち着いていた。


「華様、泣いておられるのは、御自分のことではありませんね?」
「どういうこと?一兄」
「おい乱。どこ怪我した」
「!っ・・・」


薬研の言葉に眉を顰める乱に、一同は漸く華の泣いている原因に気が付いた。


「みだれちゃんが・・・っ足・・・華をたすけたときにっ」


なおらなかったらどうしようって
いたかったらどうしようって
華がおちたからけがして、きらわれちゃったらどうしようって


「ひっく・・・っふ、えっ」
「華様・・・・っ」



それから、華は一期の背中に、
乱は薬研の背中におぶさって。


笑顔で帰りを待っていた審神者に、
仲良くぽんぽんとされるのでした。










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