小話です。47話「守護」のマフラー。


「景観がかわるとな?」
「うん!空木さんが言ってたの!」


審神者を護るこの場所は、時の流れが遅い。
故に、今まで春景色しかみたことがなかった。
一応倉には冬支度の物も見かけたことがあったが
その理由を華の一言で漸く理解することができたのだ。


「いいじゃんいいじゃん、たまには変わって」
「風流だねえ。実に雅だ。筆が進むよ」
「皆、変えてもいいの?」
「勿論。決定権は華にあるし」


そして、庭は一瞬で、雪景色になった。


「火鉢なんていつぶりにみるんだっけ?」
「蛍ー!!雪合戦しようぜ!!」
「まってよ国俊」
「ぼくらもまざります!!」
「ふふっ、平和だねえ」
「お酒もすすんじゃうよー!!雪見酒!」
「お前は年がら年中だろうが」


雪に喜ぶ組もいれば、反対も然り。


「寒い・・・」
「・・・寒いね」
「そうかな?」
「・・・普通だ。」
「さすが奥州組、寒さは慣れているね」
「貴様らたるんでいるぞ!華様をみろ!!」


「冷たいねぇ!!綺麗だね!!」


一同、和み。

冬なのに一斉に桜吹雪が舞う怪現象発生。


「ねえねえ!きりくに小枝とって!」
「・・・?これで、いいのか」
「うん!こうしてねー、こうでねー」


どうやら雪だるまを作っている模様。
自分から話しかけたくても中々性格故話しかけれない山姥切からすれば
向こうから話しかけてきてくれるのは内心嬉しかったりする。


「お嬢!!風邪をひくぞ、ほら」
「わあ手袋!ありがとうお鶴!!」
「元気だなあ。お嬢は」
「ふふ!・・・ん?こまる??」


遠くで暖をとっている小狐丸と三日月に気づいて、
華は雪だるま作りを中断した。
様子を見に来た空木に華はあることを思いついて耳打ちをする。


―――・・・。



「主様が楽しそうなのは良きことですが・・寒い・・・」
「お主は内番の着物も薄着故な」
「首元をしめれば普段のでもそれほどは・・・しかし・・・」
「こーまーる!!」
「!!主様・・・いかが・・・?」


くるくると首に暖かなものが巻かれる。
肌触りもいい、これはいったい?


「これねえ、マフラーっていうの!あったかいんだよ!」
「主様・・・この首巻を、狐めに?」
「うん!散策にいくときに巻いていくと寒くないよ」
「・・・・この。狐めを案じて・・・主様は本当にお優しい・・・」
「いこー!お外」
「はい主様!!」


「・・・・最近・・・華が構ってくれぬ・・・じじいは寂しいな・・・ハハ」
「焼餅を妬くな天下五剣・・・」



暫く、景観は冬で楽しまれました。










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