※零章は一章〜三章を読んでから読むことを激しく推奨※
一から三章を読んでからの方がいいです。
念のために先に読んでも問題ないように出来るだけ考慮してますが


ほぼ、ネタバレです。

38まで読んでおくと安心。























「はっ・・・はぁッ!」


息を切らせて、整えていた髪も振り乱して
一人の女があるものを抱えて駆けていく。
鍛刀部屋が騒がしく遠くから幾つかの声と足音が響く。


滴る汗、汚れていく身形。
女が辿り着いた場所は、特別な門。


それは、【歴史を遡ることの出来る】門だ。


「逃がすな!!捕えろ!」
「く・・・ッ!!」


聞こえてくる怒声に、女が門に背を向けた時だ。
抱えていた筈の刀が、するりとその腕をすりぬけて・・・


一瞬、獣のような影が見えた気がしたが―――


「!?・・・待っ―――」


お願い!!いかないでっ・・・!!


「こ――」
「いたぞ!!こっちだ!」


女は追手を睨み付けて、一度だけ門の異空間へと消えた刀を
名残惜しそうに見つめて、その場を去って行った。


後に、繋がる事等、誰が知ろうか?










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