「これこれ、あまりはしゃぐと転ぶ」
「ばっちゃ!でも見て!!ばっちゃの好きなお花!」
「孫様!危のうございます!無礼ながらっ」
「きゃー!長谷部鬼ー!」
「んな!?ち、違いますっ転んでお怪我でもなさったらこの長谷部っ心臓が止まります故!」
「よいよい、長谷部や。こういうときは遠慮せずにそうやって捕まえてやっておくれ」


腕の中で嬉しそうに笑う主の孫様。
主を例えるならば、春の優しい太陽とする。
そして、この孫様はとても、眩しい。


「おにごっこおわりだねえ」
「その鬼でしたか・・」
「ばっちゃ、このお花で元気になってね!」


ばっちゃ、最近一緒にお庭でおさんぽとか出来ないから。
大好きなお花があれば、元気になってまたお外に出られるようになるよね!


その言葉に、主の瞳が水を帯びているように見えた。
孫様はまだ、齢四歳である。それでもこうして気遣いが出来るようになられた。


この長谷部も、何やら胸の辺りが不思議と温かくなった気がします。


「有難うねえ、嬉しいよ」
「えへへー。もっと取ってくる!!」
「!?孫様、ですから走っては転びます!お戻りを!!」


そして、また駆けていく。
周りにいる皆も止めようと追いかける様を、
主は楽しそうに目を細めて、笑っておられた。









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