「ご本のお部屋をあけるの??」
「嗚呼。読みたい書物があってなぁ」


審神者に関する書物は審神者にしか開けられない
特殊な部屋の中にある。次期とはいえ審神者である
今は華が鍵を持っているのだ。


三日月は普段と変わらない雰囲気を纏い
華に鍵を開けさせようとする。
嘘は一言もいっていない。だが何故か少し罪悪感があった。


「っ―――」
「華様!政府より火急の連絡です!」
「!こんこんちゃん。すぐいきます」


黒い狐が華の着物を引っ張りその場を離れる。
もう一匹の狐は華の姿が完全に消えたのを
確認して、三日月を見据えた。


「三日月殿、困りますぞ。」
「困るのは此方だ。何故邪魔をした」
「刀剣男士の方があの部屋に入るなどあってはいけません」
「・・・・」
「華様ならば快く鍵を開けたでしょう。ですが」


ワタクシこんのすけが開けさせませぬ。


「何を隠している」
「・・・・」
「そうだな。お主は代々審神者を見てきたな」


そうだ。盲点だった。
この狐は老いることもなく
何代もの審神者を見届けてきた。
三日月が顕現する前からずっと。
そして、現世でも審神者を見守る役を持っていたじゃないか。


「なれば書物を見るのは諦めよう」
「御理解頂けましたか」
「お主から聞こう」
「!」
「単刀直入にな。華は、誰の子だ」


こんのすけが一歩ずつゆっくり後ずさりする。
何かに後ろ足がぶつかり、ばっと振り返る。
そこにいたのは、不敵な笑みを浮かべた鶴丸だった。
がっしりと掴まれて暴れてみても離す気配はない。


「おやめくだされ!鶴丸殿!」
「いやあ、そういう訳にもいかないな」


俺は過去に審神者と約束をしていてな。
時がくればわかることだと言われたんだが。


「俺を驚かせてくれるんだろ?ん??」
「さあ、洗いざらい吐け」
「お、御二方!!おやめくだされ!!」
「大事故な、止めぬ」
「華様は審神者の血縁でございます!!」
「以前屋敷に襲撃してきた女は母親で相違ないのか」
「あ、あの方が華様の母親などととんでもな・・・っ!?」
「・・・・ほほう」
「違うと・・・」
「も、もう何もいいませぬ!口はわりませぬぞ!!」


二人は視線を合わせ、一つ頷くと
こんのすけを抱いて三日月の部屋へと移動した。











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