※0はおまけです。
今回は本当におまけです。

大智は愚の如しを読んだ後で
読むことをお勧めします。


――――――・・・。


粟田口の部屋に突然ぱたぱたと小さな足音が近づいてきた。
何事かと障子を見つめていると、すぱんとあいたそこには


「華?いかがしました?」
「前田兄ぃ、平野兄ぃ・・・ちょっと来て!」
「へ?あ、あの!?」
「華!そんなに引っ張って如何されたのです?!」


他の兄弟が唖然とする中、連れられたのは華の部屋。
まわりに誰もいないか確認して、華は障子をしめて
二人の前に正座した。いったい何事だろうと首をかしげる。
華は一呼吸終えて、小さな口で大きなことを口にした。



「そ、総会に!?」
「僕らがですか!!」
「うん。一緒に来て!」
「し、しかし・・・そのような大事な場に」
「平野兄ぃは警護はおまかせなんだよね」
「た、確かに警護は得意ですがっ」
「前田兄ぃもだよね」
「ま、まあ確かに出来ますが・・・しかし!」
「兄ぃ・・・」


おねがい・・・。


泣きそうな顔でお願いをされてしまっては
断れるわけがない。しかも審神者の孫様であり
今は自分たちの妹の位置にいるのだ。


完全に、断れる状態ではない。


どうして自分たちなのかと気になることは多々あるが
了承すれば、嬉しそうに華は笑い、安心して部屋を出て行った。


――――・・・。


総会に行くことは、皆には帰るまで内緒だからね!


そう、告げられて二人は部屋に戻ってきたのだが。


「お、かえってきた」
「どうしたの?華ちゃんに何かあった?」
「・・・お前ら、何か元気ないがどうした??」


厚、乱、薬研に声をかけられるが、右から左へである。
二人で服をしまっている箪笥の前によろよろと移動し、
力なく座り込む。暫く様子見の兄弟、俯く二人。


ズズッ!!


「前田!あの着物はどこにしまいました!?」
「三段目じゃなかったですか!僕の新品の衣はどこです!」
「それは前の出陣でおろしたと聞きましたが!!」
「はっ!?何てことだ・・・今から万屋にいって間に合うでしょうか!?」
「そうです・・・箪笥にしまった着物など言語道断!万屋へ!!」
「馬は借りていけますかね!?」
「遠征部隊がかえっていれば!!」
「いっそのこと機動を活かして走れば間に合うのでは!!」
「平野!紙を!!必要なものを書いていくのです!!」
「そうですね!!!では僕が書くので前田はいち兄に財布を!!」


「・・・・なんだありゃ」
「あの二人があんな慌てるなんて・・・」
「・・・・・二人とも、落ち着け」


「「落ち着いていられません!緊急事態です!!」」


こうして、屋敷の中で珍しく慌てた様子の二人が目撃され
万屋に駆けていくのを一期と兄弟達は心配そうに見送ったとか。


また、鯰尾と骨喰がこっそりと道中何事もないか
密かに見守っていたこともまた、二人はしる由もない。









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