0はおまけです。

このお話は

全部のお話(短編含む)〜大丈夫 までを
一度読んで頂いて、読み終わってから
改めて読み直してもらえると幸いです。




―――平気。






「・・・・華は、いつから苦しんでいたんだろうか」
「あの子は、・・・華はあまり弱音を吐かないからね」


転んだ時も、どこか怪我をした時も、
苦笑して涙を流さないように耐えて、耐えて。


―――平気だよ!


そういうんだ。


歌仙は茶をたてていた手を止めて、蜂須賀に視線をやった。
眉を潜めて、視線をどこへ彷徨わせるのか。


「確かに、政府について歩いたときも、陰口を言われていて」



気にすることはないと言おうとしたんだけれど
先に笑顔で「気にしてない、華は平気だよ!」と。


―――――・・・・。


「主様の、癖なのでしょうか」
「・・・お、気づいたか小狐丸」
「・・・・鶴も気づいていたか。」
「嗚呼、だが・・・気づくのに時間をかけすぎた・・・」


彼女は、母親と同じだ。

自分の苦しみや悲しみを、隠そうとしてしまう。

母親であった審神者はすでに、華よりも大人だった。
だから余計にわかり辛かった。


彼女は審神者よりも幼かった。
故に、よく彼女を見ていれば気づく事ができた。


「平気だよ、は・・・助けてくれの意のようなものだ」
「三日月・・・・」
「本当に問題がないのならば、華は―大丈夫―という」



大丈夫だよ!


・・・平気だよ。



隠してしまう苦しみ、悲しみ。


華が不器用に唯一知らせる、救いの言ノ葉。




――――華は平気、大丈夫。




――――――・・・・。
あとがき

長編書き始める前から決めていた設定。
青江の怪談話のときの「大丈夫」は
自分に言い聞かせる為のものなので特例ですが

「平気」という時、華は弱ってるということです。

やっとこ消化できて大満足。
これを頭の片隅にでもいれて改めて読んで頂ければ
あ、華弱ってるなと気づいてもらえる筈。









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