これは、むかしのおはなし。
華のちいさいころの、おはなし。


かこの、こと。


華は最初の頃は、ばっちゃについて政府に行っていた。
難しいお話をしていてもくっついていた。


何回目かの政府にいく用事の時だった。


ばっちゃは大人とお話してから、大人に手を繋がれて。
遊んで待っててねと言ってどこかにいっちゃった。


「長様がお戻りになられるまで、こちらでお待ち下さい」


政府の大人がそういって手を離してどこかへ行った。
華と同じくらいの子供が沢山いて、
皆声をかけてくれた。笑顔で仲間に入れてくれた。


華は嬉しくて、楽しくて


かけっこをした


おにごっこをした


じゃんけんをして


華が負けたから鬼になった


皆早くてなかなかつかまらなかった


でも、凄く楽しかった。


こんどは逃げる番になった。


一生懸命走って逃げた。

でもすぐにつかまっちゃった。


それでも、本当に楽しかった。



今度はかくれんぼをすることになった


華はかくれる方だったから


見つからないように隠れた。


















誰も見つけに来てくれなかった。



こっそり声のする方へ隠れて向かった。


政府の大人や、知らない大人がいた。


皆、怒っていた。


遊んでいた子達が、泣いていた。





長様の御孫様に恥をかかせて!!!!


御孫様が鬼になればすぐに捕まらないとだめじゃない!!


何をすぐに捕まえているんだ馬鹿者!!!



怒鳴り声が止むまで、華は隠れていた。


遊んでくれていた子達が、泣きながらお話していた。



――――華と遊びたくない・・・って。


そうしたら、大人がその子を叩いていた。






ばっちゃがお迎えに来てくれる頃には


遊んでくれた子は泣き止んでいて


ばっちゃが皆に、どうして泣いたの?って聞いて


政府の大人や知らない大人が、困った笑顔でいってた



――――「ただの子供同士の喧嘩です」



ばっちゃが隠れていたのに華を見つけて


「待たせてごめんね」


ばっちゃが頭を撫でてくれた。


遊んでくれた子たちの目が、冷たく感じた。


「御孫様、また是非いらして下さい」


政府の大人が笑顔で華に言った。


遊んでくれた子達も、笑顔で―――――


「またあそぼうね」


そう言っていたけども


目は、やっぱり冷たくて、笑っていなかった。



「華?・・・・どうしたのですか?」
「・・・・・・」



華は、遊ばない!

もう来たくない!つまらなかった!



ばっちゃはそれから、華を政府に一緒に連れて行かなくなった。



これでいいの。


ばっちゃと一緒にいたかったけど、いいの


だって、華がわがまま言ってついていかなかったら


遊んでくれた子たちが叩かれない

怒られない、怒鳴られない。

泣かなくていいし、それに・・・・



華と遊ばなくていいもん・・・・。


だから、華は楽しくなくていいの


華が我慢すればいいの


だから、・・・だから――――










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