「あのね、芍薬先生から教えてもらったの!」


現世ではね、くりすますっていう行事があるんだって。
もみっていう木にきらきらの飾りをつけてね!


「もみの木、ですか?」
「うん!んとね、こういうかたちなんだって!」


雪に枝を使い絵を描く華。
その絵を小狐丸、そして声を聞きつけて
聞き耳を立てていた男士らが覗き見に寄ってきた。


「上にお星さまをのせるんだって!」


お祝いにお菓子を食べるんだって!たしか、けえきっていうおかし!


「けえき・・・(南蛮菓子かな)」
「うん!えっとねえ、蓮華が本見せてくれたの」
「・・・(たしか薬研に以前連絡先を聞いたような)」


それでね、一年間いい子にしてたらね
眠ってる間に枕元に欲しい物が置いてあるんだって!


「華は何が欲しいんだ?」
「あいちゃんは?」
「俺?俺はそうだあなあ、皆で遊べる双六かな!」
「いいなあ!」


短刀らも話が盛り上がり何が欲しいと聞きあっている。
それをにこにこしながら眺める華に、
小狐丸が小首を傾げて声をかけた。


「主様は何が欲しいですか?」
「こまるは?」
「狐は主様が幸せなれば何でも・・・」
「そうなの?」
「主様――――」
「あ!信濃呼んでる!いってくる!」
「・・・逃げられましたね」
「そうだな」
「三日月、主様は何故欲しい物を教えてくれないのでしょう?」
「・・・ふむ、わからん」


誰が聞いても、華は欲しい物をこたえようとはしない。
反対に何が欲しいのかを聞いてはぐらかしているように見えた。
言いたくない、という様子でもなさそうなのだが。


「各々方、ここはいっちょ俺達が驚かせてやらないか?」
「鶴・・・」
「お嬢に、そのくりぃすますとやらを催してやろうじゃないか!」
「良いですね、それは」
「弟らのいる奴も、ついでに内緒で贈物を用意して驚かせよう」
「そうですな、自分は国永殿に賛成です」


にっこりと一期は頷き、鶴丸は嬉しそうに笑んだ。
保護者組、大人組で協力者を集め、
密かに計画が練られることとなった。



――――――・・・・。


「山伏、同田貫、御手杵、蜻蛉切はもみの木の調達係だ」
「あいわかった!」
「どんな木なんだ?そりゃあ」
「図鑑を歌仙に持ってきてもらった」
「この本で調べてくれ」

「蜂須賀、加州、大和守、石切丸、次郎太刀、太郎太刀、数珠丸、山姥切」
「以上の者は、装飾品を作ってもらいたい」
「任せてほしい」
「星に、この丸いのは何だろう?」
「ふわふわしてそうなのもあるねこれ、綿?」
「飾りについては蓮華殿に確認しましたので、もうじき詳細を送って頂けますよ」

「一期、髭切、長曽祢、三日月、小狐丸、長谷部」
「俺と、お嬢への贈り物、短刀らや兄弟への贈り物を協力して準備する係だ!」
「一期の弟は人数が多い、俺が協力しよう」
「お願い申し上げる、長谷部殿」
「それぞれの兄弟の物は何とかなるだろう、問題は・・・」
「華から欲しい物を聞きだせていないことだ」
「それに、この計画はあいつらには知られちゃいけない」



どうにかして知られずに、迅速に準備を進めるんだ!!










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