見えるのは、燃える城。
その牢獄の中から伸びる手が複数。
行く手を遮るように現れる敵に舌打ちし
斬れども斬れどもきりがない。
嗚呼・・このままでは・・・
「一期!!止むを得ん!!撤退だっ!」
「離して下され国永殿!!!ッ・・目の前に・・・ッもう!!」
「ッ馬鹿野郎が!!そんな体では無理だ!!」
「・・・ッ時間が、ありません・・っ大阪城が・・・閉まります!」
「これ以上は・・俺でも凌ぎ切れんぞ・・・大包平なら・・いや・・・ッ」
顔は見えない、手は見えている。
伸ばされる手、聞こえてくる苦しげな声。
熱い・・・熱ィ・・・!!
助けてッ・・・置いて行かないで!!!
痛か・・・ッ・・・息・・・でき・・・ッ・・
―――――いち兄!!!
大阪城の扉は、燃え盛る炎に包まれながら
閉じられた・・・・。
「ッ・・・は・・・はぁ・・・」
「・・・一期・・・」
「・・・叔父・・・上・・・?」
「魘されておられました故・・・鳴狐と起こしました!」
「・・・大丈夫?」
「・・・・・・・・・ッ・・・」
炎が・・・・弟達を・・・・
あの、大阪城の、牢に閉じ込められていたのは・・・