※オリジナルキャラ有※


※所謂女性のアレ※
苦手な方は飛ばしてOK




幼審神者の本丸を維持している空間と似たような空間は、幾つか存在する。
全て把握されているわけではないが、一つは政府も把握しているものだ。


そこへ、薬研は医療道具を持参し向かっている。
転送門を潜り、竹林の中を進めば、古風な屋敷が見えてくる。


「・・・早いな」
「そうでもないさ、もう昼前だぜ。」
「もうか?夢中になるといかんな」
「・・・師匠、俺が籠を持つ」
「うむ。華様ならば奥で休んでおられるぞ」


屋敷の前の小さな畑で野菜を収穫していた白髪で白衣を着た老人。
土で汚れた眼鏡をそのままに、籠を渡してくるこのお人は


俺、薬研藤四郎の師匠だ。

何の師匠なのかといえば、服装から察してほしい。


「医術書は読んだか?」
「嗚呼、八巻までは目を通したさ」
「あれはまだ4巻あるでな。次を出しておく」
「薬草の本も頼んでもいいか?師匠」
「・・・それはあいつに言え」
「そうさせてもらう」


奥へ進むと、楽しげな主の声が聞こえてくる。
それに安堵の息を吐き、籠を背負いなおした。


「おやぁ、薬研。来たんだねぇ」
「あ!薬研兄ぃ」
「何作ってたんだ?」
「蓬餅ですよ。皆でお上がりなさいねぇ」
「いっぱい作ったよ!」
「奥方の蓬餅か!美味いんだよな」
「薬研、お前は試験を合格せんと食うな」
「おうよ、一問も間違えたりしねぇぜ」
「・・・わしの試験ではないぞ、蓮華のだ」
「うわ・・・そっちか・・・」
「うふふ・・・間違えたら・・ねぇ?」
「蓮華!芍薬せんせ!!薬研兄ぃをいじめないでね?」
「いじめておらん」
「愛ですよ、愛」


割烹着を来て華と蓬餅を作っている老女。
畑で野菜を収穫していた老人。

この二人は政府で普段医者勤めをしている。


名を芍薬、俺っちの医術の師匠。
名を蓮華、此方は師匠の奥方で、薬師だ。


前審神者の主治医も務めていたことから、
俺っち自ら弟子にしてくれと頼みこんだ。

頑固さは一級品、特に奥方の方が手ごわかった。


弟子は取らない。一点張りである。

芍薬師匠を説得するのも難航したのだが
まあ、どうしてうんと首を縦に振らせたのか
今はもう覚えていない。
しかし、この二人の技術は誰もが認めるものだ。


時々時間を取ってこうして俺っちは医術、薬学を習いに来る。
これも全て、前審神者であった大将の為であったし、華の為に頑張っている。


でも今は、蓬餅の為にがんばるとしますかねぇ。



―――――――・・・・。




「あのね、蓮華」
「何ですか?」
「・・・あの、お話・・・あるの」
「!・・・ほうら。この婆にもわかるように言ってみなさいな」


薬研達が別の部屋にいるのを確認し、蓮華はにこりと笑って見せた。
華にとっての蓮華は薬の先生であり、御婆ちゃんでもある。
母親と知らなかった頃に、母を祖母と思い慕っていた頃のようで。
姿身は違えど、温かさと優しさはそっくりだった。


だから、こうしてこの屋敷にきたときは
こっそりと甘えたり、相談事を蓮華にしているのだ。


最近気になることが華にはあった。
身体の成長は空間の影響なのかほとんどなく小さいまま。
変わりがないと言ってもいいくらいなのだが。


「あのね・・・ないしょね?」
「ええ。言いませんよ」
「・・・お腹、痛いの・・」
「?・・・どのあたりです?」
「ここのあたりがね、お手洗いに行きたくなるようなのじゃないの」
「・・!・・・・いつからです?」
「さっきからなの、それでね・・・なんかね・・・あう・・」
「ちょっと待ってねぇ」


蓮華は立ち上がり、部屋の鍵を閉めはじめた。
不安な表情で見守っている華に安心するように微笑みかけた。

「それで?」
「お、おまたが・・・気持ち悪いの・・・」
「診察してもいいかしら?」
「うー・・・」
「ちょっと恥ずかしいかもだけども、袴の下を見てもいい?」
「蓮華・・・怖いことしない?」
「したことがありますか?」
「・・・ん。ない・・・」
「大丈夫ですよ。確認したいことがあるだけです。」


答えは出てるかもしれませんが念の為。


失礼しますよ。








・・・・・・。







・・・あらまあ






「・・・なあに?」
「うふふ・・お話の前に準備をしないとねぇ」
「!!・・・華・・・死んじゃうの?・・血・・・」
「いいえ。死にはしません。華様、御目出度いことですよ」
「おめでたい・・こと??」
「ええ。華様が大人になったということです」


こてんと小首を傾げて不安そうに見つめてくる華に
蓮華はとても嬉しそうに準備を始めた。



――――――・・・・。



「何故開けないのじゃ蓮華よ」
「男子禁制です。良いと言うまで」
「奥方・・・こええ・・・」
「・・・・・・わし、悪いことしたか?」
「ああ、これを作って待っていなさいお前様」


一枚の紙が芍薬に渡されまた扉は閉められた。


「(・・・赤飯??)」
「師匠、なんだ?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・師匠?」
「・・・・・・・・・まさか・・・」
「まさか?」
「・・・・おい弟子、扉が開いたら覚悟しておけ」
「・・な、何だ?」


流石は医者、流石は旦那。
この後に来るであろう、女性特有のモノについての


有難い有難い、長時間の講義に備えて
大人しく厨へ向かう師匠の後ろを
嫌な予感を察知しつつ薬研は付いて行くのであった。





―――――――・・・・。
後書き

おめでとう幼審神者。
本丸の皆に知れるのは少し先のお話。

デリケートだから!
たとえ血の匂いを察知されても
鬼のような講義受けた薬研が
これでもかと言うくらいに黙っててくれ
何も華に言うな気づかない振りしろオーラを出すので








×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -