「・・・はぁ・・・はぁ・・ッ」
「・・・熱が下がりませぬな・・・」
「意識は戻ったし、前より顔色はましになったんだがな」
「薬研、本当に風邪ではないのだな?」
「ああ。政府の医者の爺さんにも診てもらったし間違いない」


一度意識を戻し三日月に抱かれていた華だったが、
熱によりまた意識を落としてしまった。
数日ずっと布団に籠ったままだ。
意識を失っている間、どこか違和感を感じた者が本丸にいたようだが
そのうちの一振が自分、三日月である。

元気にはしゃいでいた筈が、突然何の前触れもなく倒れた。
その姿に、過去審神者も同じように倒れたことを思い出す。
身体がひやりとした。また大切なものが奪われるのではと。
今は苦しんではいるが、熱が引くのを待つしかないらしい。


「・・・ん・・・」
「・・・熱いか?華・・・」


乾いた布を取り換えてやり、頭を撫でてやる。
開かれた瞼。瞳はぼんやりとしている。


「・・・華!」
「・・・・だ・・、れ・・・」
「俺だ。三日月だ・・・」
「ちが・・・ぅ・・・みか・・・づ、き・・・」


誰か、来る・・・。


「何?」
「・・・・鍛刀・・・の・・・お部屋・・・・」
「わかった・・見て来よう。小狐、華を頼む」
「勿論。しかし、主様は鍛刀をされていなかったはずじゃが・・・」


訝しげに思いつつ、三日月は部屋を後にした。




―――――・・・・。


鍛刀部屋に向かった三日月が見たのは、一振の太刀だった。
きょろきょろと辺りを見回しているその主は・・


「おや?これはこれは」
「・・・鶯丸か?」
「ああ、三日月宗近か。」
「此処の主は、鍛刀をしておらん筈だ・・どのようにして此処へ」
「さあ、俺にもわからん。まあ、細かいことは気にするな」


それよりもだ、三日月・・・聞きたいことがあるんだが





「平野を見なかったか?」




――――――あとがき


黒本丸の鶯丸だけ華は折れたのを見ていない。
けれども此処に顕現したということは、折れている。
何の影響かはわからないが、彼は前の記憶はないが
顕現し、「」を口につく。

鶯丸はこうして、幼審神者本丸に現れた。









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