政府の空木との連絡が出来るのは華の部屋だけである。
故に、時々独り言のように何か話し声が聞こえる時は
華が政府との連絡を取っている時だ。
今日も部屋から声が聞こえてくる。何の連絡をとっているのかはわからないが。


「主様、文をお持ち致しました」
「はあい!有難うねこまる!」
「いえ。本日も精が出ますね」
「みんなのために、がんばっちゃうよ!」


にこにこと文を受け取り、一通ずつ目を通していく。
その間に、自分は湯飲みを回収し、床に散らばった書類を集める。
複数の文が届くのはいつものことだ。全て政府からのもの。



の、筈だった・・・・。


「ふふっ」
「どうされました?御機嫌が宜しいようですが」


主様が喜ばれるのは、この狐めも嬉しいことです。
一体、何がそれほどまで主様の心を躍らせていらっしゃるのやら。


「えへへ!ないしょー!」
「!?」


内緒・・・この狐めに内緒ですと・・・・?

ぽんぽんと判を押した文を握りしめて、
華は部屋を出る様子を見せた。


「ど、どちらへ行かれるのです?」
「なーいーしょ!」
「!!?・・・さ、左様・・ですか・・・」


何故ですか主様、内緒等とはこの狐。
今まで言われたことがありません!!!
どうしてお教えになってくれないのです!?


部屋を出て行った華を追いかけようと廊下に出れば
そこには見慣れない色の封筒が落ちていた。
先程文を持ってきた束の中に紛れ込んでいたのだろうか?


若草色の封筒を拾おうとしたとき、先に手を伸ばす人物が。


「落し物か?」
「鶴丸殿」
「おおっ、小狐丸か!お嬢がご機嫌でどこかへ行ったが」


こりゃお嬢の落し物か?
誰からの文だ?まさか、恋文か?・・・なあんてな!!


鶴丸の言葉に、小狐丸は体を硬直させてその場から動けなくなった。
訝しげに名前を呼んで突いてくる鶴丸も、笑顔が消えていく。
そんなまさか、いや、冗談だろう?と


「・・・・・」
「・・・・・・・」




三日月いいいいぃい!!!!??
光坊ーーー!!!!伽羅坊ーーーー!!!!



「お嬢が知らねぇ男に――――」
「主様に貞操の危機があああ――――」


全て言い終わる前に、遠くからいくつかの足音が近づいてくる。


それも物凄い速度でだ。



「何の冗談だ小狐・・・・」
「鶴さん何事!!?どこの誰が―――」
「国永・・・敵はどこだ・・・っ」
「(ぬいてる・・・三振刀ぬいてる!!!)」
「こ、此処で話すのもあれです・・・移動しましょう」



こうして、幼審神者本丸緊急会議が開幕するのである。











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