梵天花



――小さな綿の花が揺れていた――



『ここ、どうですか?』


「うん、なかなか気持ちいいよ」


『う〜ん…じゃあこれは?痛くないですか?』


「大丈夫だよ。ちひろさん、ずいぶんと手慣れてるようだね…」


『ふふふ、そうでしょう〜。実はけっこう好きなんですよコレ』


「そうなのかい?」


『はい!終わった後の達成感も堪りませんし、お互いに気持ちいいじゃないですかっ』


「やってもらっている私はともかく…ちひろさんまで気持ち良くなるものなのか?これで?」


『うーん、なんて言うかこう…攻略していく感じ?それが快感なのかもしれません。とても爽快な気分になれます!』


「では、これからは必要になったらちひろさんに頼もうかな?」


『わっ そうしてもらえると嬉しいです!呼んでもらえたら何時でも飛んで行きますよっ』


「ふふっ いつでもか…そんなに好きなら遠慮なくお願いするとしよう。私も助かるよ」


『はい!小五郎さんに呼んでもらえるの、楽しみにしてますからっ♪』





嬉々と語る娘と、その娘の膝に頭を乗せて横たわっている男。
そんな二人の姿が目撃されたのは、よく陽の当たる縁側でのことだった。


彼女の手には竹製の細い棒が握られていて、その先端には梵天。
彼の耳に触れながら、よく笑って話していた。

そんな彼女と、猫のように目を細めながら会話をしているという…
普段の姿からは想像し難い彼の珍しい行動が見られたとか。











その後……




(色んな意味で…あの場を取り繕うことが、ここまで難しいことだったとは思わなかったな)


膝枕の口実ができたことを含め、ついつい感慨にひたる小五郎だった。











2010.12.31
なにか誤解を招くような文面かも…?
実は私も大好きなんです「耳かき」が(●´艸`)


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