*五年


「女神により将軍が去りし時、人々は喜びに満ち溢れ、この世は楽園と化すであろう…そして人々は安らぎながら眠りにつくであろう……」

「女神?将軍??楽園???」

「だが女神の加護を得んとするならば、試練を越えねばならぬ。
天からの流れ、山からの流れ、これらに耐えねば女神は我らを見離すだろう…」

「へーすけ、三郎と八左エ門は何言ってるの?」

「え?あぁ、『春の嵐が来たね、もう春なんだねー』だってさ」

「へー…どこをどう取ったらそうなるんだ?」

「……まぁ、慣れれば分かるようになるよ」

「ふーん……兵助はすごいな!!」

「いや、そんな褒められる事じゃ…」

「身体に纏うべき物は天へと消え、人々は慌てふためくであろう…」

「分かってんなら洗濯物仕舞うの手伝ってよこの厨二野郎共!!」

「雷蔵、ほら、俺も勘右衛門も手伝うから落ち着いて」

「俺手伝うよ!!」

「あ、ありがと、じゃ、これ…」

「天へと消えた物は全て、己の手へと返ってくる事は二度と無いのだ…」

「「お前らもう風に飛ばされてしまえ」」

「????」




だって14歳だもの。