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aquarium


 永遠だと思っていた。
 綺麗な赤を。それは決して穢れることのないものであると、信じていた。

 床に散らばった水が僕の足を濡らした。ひたひた、ぐるぐると、無意味に回っては飛沫を立ててみる。
 フローリングは水気を吸わない。

 触れたいと思っていた美しいものに、近付くことすらできなくなっていた。
 ぼんやりした光が床を、水溜まりを、くすんだ赤を照らす。
 僕は、なきたくなったから、ないた。

 永遠だと思い込んでいた。
 プラスチックケースの中でひらひらと踊る美しいものが失われるなんてこと、考えもしなかった。

 僕はないた。
 なきながら、それを食べた。


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