微睡みの中で
1話
2017.07.15start
☆まえがき★
原作ベース。
最終章で、一護達がネル達と共に虚圏に行く時、滅却師は虚を滅却する為に居るから虚圏には同行できないと雨竜が言いましたよね。
それをテーマにしました。
以前にも似たようなテーマで「滅却師と死神は…」を書いたけど、それとは微妙に別設定です。
二人は両想いなんだけど、まだハッキリと言った訳ではありませんでした。でも一護が虚圏に行く事になって、滅却師と敵対するかもしれないとゆ〜状況もあって、離れがたかった二人は、初めて一夜を共に過ごした、とゆ〜設定です。
お話が何とも分かりにくいです。スミマセン(汗)。
この先、滅却師と死神の関係がどうなるか分からないけど、一護と共に在る未来を願う雨竜たんを書きました。
窓から、ぼんやりとした青白い光が部屋に射し込んでいた。
その中を、雨竜は馴染んだ匂いの染み付いたシーツに包まれながら、いまだ気だるさの残る身体を一護に抱き寄せられていた。
直接触れあう肌は、何も纏っていない。
行為の余韻を帯びた皮膚は酷く熱い。
その感触をどこかくすぐったく思いながら、ぼんやりと雨竜は天井を眺めた。
隣では、一護が安らかな寝息を立てている。
どうやら熟睡しているらしいが、眠りの中にあっても、男の腕は雨竜を離さないとでも言うようにしっかりと回されたままだった。
雨竜は僅かに身動ぎすると、間近にある一護の顔を覗き込んだ。
睫毛が触れる程に頬を寄せれば、優しい吐息が頬に掛かる。
身体に掛かる男の腕の重み。
逃げれば失ってしまう、甘美な拘束。
こんな幸せな瞬間は、二度と巡ってこないかもしれない。
「黒崎………」
ふいに、それまで必死に心の奥底に捩じ伏せていたはずの不安と焦燥が沸き上がってきて、雨竜は苦しげに眉根を寄せた。
(ーーーー行かないでくれ)
一護は虚圏に行く。
滅却師と戦う為に。
そして雨竜は、現世に留まる事を選んだ。
ーーーーけれど、本当は。
(離れたくない………)
他人を信じたのも、他人を愛したのも、これが初めてだった。
そんなものは自分には必要ないものなのだと、ずっと思っていたから。
けれど一護と出会って、雨竜のすべては根本から変わってしまった。
そうしていつの間にか、気付かされていた。
ずっと反発していたはずの彼を、必要としている自分自身に。
彼に惹かれているのだと言う、事実に。
一度気付いてしまったら、もうどうしようもなかった。
いつしか理性を無視して、心が勝手に一護を求めていた。
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