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 神様 / 薄氷瓢箪録

▼あらすじ
薄氷で作られたひょうたんの中には、平安の田舎町が広がっている。
そのひょうたんの中で人は暮らし、神はそれを見守ってきた、この六千八百年。
泣いたり笑ったり、ほのぼのゆるやかなこの安寧が続くことを祈り続けて、また、幾年が過ぎてゆくのだろう。
ほらほら今日もまたかみさまたちは、変わらぬ日常を謳歌しているよ。

……いまはね。



▼神様

癒神(ゆかみ)
女。温泉に訪れる人の肩を揉んであげたり、小さな傷を治癒してあげたりするかみさま。 癒神は見える人には見える。主に死の近い人。温泉の奥には社があり、あの世(瓢箪の外)への門。そこへの道案内役も。穏和な性格で、都合の悪いことは煙に巻くのが上手い。


刻神(ときがみ)
男。日時計の石柱の上に鎮座しているかみさま。時間を少しだけ止めたり、進めたり出来る。常に一寸先の未来が見えている。干渉はあまりしない。秩序に従順な石頭。何事も律に従い侵さない。歴史も刻む役割もあるので別名史録神(しろくがみ)とも。


傷神(きずかみ)
女。誰かの傷を代わりに請け負うかみさま。いつも生傷が絶えずそこかしこを傷めているが、痛いとは決して『言えない』。痛いと言うと請け負った傷が倍になって元の対象へ跳ね返るため。本音も本性もなかなか出さない秘密主義者。顔には出る。謎多き神。


疚神(やまいがみ)
男。人の病気を請け負うかみさま。風邪を始めなんやかんやいろいろと請け負うためいつもげっほげっほ言ってる。病気の請け負いは完全に無計画。だめっすわ、もうアカンっすわ。とか言いながらまたひとつ請け負うおばかさん。請け負った病は気合いで治す。


小雨神(こさめがみ)
男。恵みの雨のかみさま。雨を降らせ田畑に恵みを与える。民家の雨樋を転々としながら、家々に虹を架けて人と人の繋がりを保つ。基本的にものぐさで悪戯好きな性格だが、素直。式などの祝い事が好きでわざわざ夕立を降らせ、虹を架けてやったりする。デレツン。


花神(かがみ)
男。月下美人に宿る花や草木のかみさま。人の培った栄華を静かに見守る。一度咲けば散るまでそれを見届け、散った栄華を葬る。割りと普段から何かに関心を示すことがなくのんびり、どうでも良さげに見えるが、誰よりもその何かを気に掛けている。


蜜神(みつかみ)
女。花神の対となる 安寧のかみさま。天神(あまつがみ)に仕えており、与えられた使命が何であれこなす完璧超神。人当たりがいいように見えるが腹黒の毒舌。花神とは折り合いが悪いらしく敵視しているが…? 怒ると無数の蜂を周囲に纏わせ刺す。


千代神(ちよがみ)
女。瓢箪の中の人々が築き上げていく歴史を見守るかみさま。 神々の干渉しすぎないという規則を平気で破り一族や歴史に干渉しまくるので頭の固い刻神に目を付けられている問題神。だがやっていることは良い方向に行くことが多い。空気を読まない。


湖神(こがみ)
女。森の奥の開けた場所にある湖のかみさま。木漏れ日の中で湖面に立っている。その湖底にはかつての 湖神であった先代の柩が眠っている。唯一寿命という制約がある神。透き通った心が湖に反映され、青に満ちた神域を守っている。ほやほや泣き虫なかみさま。


導神(ささえがみ)
女。神社へ続く階段に座っている、小さな親切をささやかに届けるかみさま。 階段の傍らにある小屋 に訪れる人の悩みを聞き、小さな安らぎを心に与えられる。代わりに髪紐を頂く。髪紐はその人の悩みが解決したら返す。小屋の神棚のみかんが楽しみなほんわかさん。


里神(さとがみ)
女。輪廻の門で人を見送り、迎えるかみさま。その人に前世の記憶があろうとなかろうと、「いってらっしゃいませ」と「おかえりなさいませ」を言い丁寧にお辞儀をする。寿命の制約がある湖神の次代を決める役割も。とても律儀で穏やかなかみさま。


安満神(あまがみ)
男。思いっきり人に見えてる精神安寧のかみさま。 神社で願い事を聞いた後、人として願い事をした人に近付き、達者な話術で真意を引き出し見定める。自信家のタラシのため、主に恋愛の願い事には嬉々として出向き口説きに掛かる。これは完全なる趣味。


想神(いとがみ)
男。恋愛成就のかみさま。人の思考が読めるが、神の思考は読めない。頭の中に様々な人の想いの声が音楽のように鳴っていて、気になったところへふらふらと出向く。 犬猫の声も聞こえてしまうのが難点。せっせと縁結び。本人はとあるかみさまに片想い中。


詩神(うたがみ)
女。海の大岩にある社で 唄を紡いでいるかみさま。 澄んだ唄声で海が荒れぬように守っている。割りと外れにある社なのだが、大漁祈願によく漁師が訪れる。しかし、大漁祈願されても詩神はそういった神様ではないので困っている。そしてやっていることに反して柄は悪い。


彦神(ひこがみ)
男。霊峰を守る山のかみさま。神通力はまだあまり強くない。未熟なまま霊峰の守護神を継いだ。寿命という概念はないが、五百年に一度の厄災が訪れた際に、彦神が身を 投じて鎮めるため後継ぎが必要。当代の彦神は無邪気で人の真似っこが大好きな少年。


陽神(ひかみ)
男。神社の奥にある洞窟の祭壇、の横の燈籠に宿る太陽のかみさま。 薄暗い場所でひたすら神通力を溜め込んでいるが…? 宿っている燈籠の火は絶えることはない。祭壇には過去の戒めが眠る。それをくべて火を灯している。性格は根が暗く思考がちょっとアレ。


月神(つきがみ)
女。そこかしこの鏡に宿る陽神の対となるかみさま。 常に鏡を持ち歩き、人の本来の姿を映し出す、もしくは引き出すことが出来る。美しく、月光のごとく澄んだ瞳をしているが喋ったら台無し。かなりの楽天家。彦神を異常なまでに気に入っているショタコン。


鎮神(しずめがみ)
女。雷を身体に宿す鎮魂のかみさま。人の昇華しきらない魂の救済をし、輪廻へと送り出す。人だけでなく湖神の死の際は柩に雷で結界を張り、またそれを保つ役割も。姉御肌のクーデレ。普段は言葉遣いも固く男前であるが、しっかりと可愛らしい女性である。


結女神(ゆめがみ)
女。人の夢の中を渡り歩き、悪夢を吸い取って安眠をもたらすかみさま。 人により悪夢という基準が異なることに常に悩まされ、たがが外れいつしか自虐的な発言が デフォルトとなった。優柔不断。人の夢の中でのみ人と対話することが出来る。がんばれ。


艶神(つやがみ)
女。人を(色事で)たぶらかす 妖艶なかみさま。本来は戦神であったが戦のなくなった平穏な暮らしに乗じて好き勝手遊び回っている。が、今も神社の蔵に祀られる矛に宿っている。相棒であった盾に宿っていた双子の安佐神を亡くしている。元の名は宮神(みやかみ)。


小幸神(こさちがみ)
女。ささやかなる幸福をささやかに贈り届けるかみさま。 名の通り小さな幸せを生み出せるが、 対象に届くかどうかは運次第。不幸体質なので肝心な時に届かなかったりする。温泉にいる癒神に、不幸体質改善の泉質向上をたまにねだる。礼節に厳しく心優しい。


看取神(みとりかみ)
男。病により死の近い人の傍で、孤独に衰弱していくのを見守るかみさま。一切の神通力を過去になくしており、ただ見守るしか出来ない。過去には親族に危篤を知らせたり、関与することが出来た。神通力をなくしたのは、禁忌の法を侵したため。淡白な性格。


醸神(かもすがみ)
男。神酒に宿る祭事のかみさま。冠婚葬祭に現れてははしゃぎまくり酔いどれ扱いされるが、酒に酔ったことは一度たりとてない。ただの酒でも薬酒や仙酒に変えることが出来る。人を酔わせ一部の記憶を消すことも出来る。人と恋に落ちたことがある。豪快な性格。


涙神(るかみ)
女。人のあらゆる悲しみを請け負い、素直に泣けない人の代わりに涙を流す優しいかみさま。日夜常に何かを嘆いており、情緒不安定。泣けない人を泣かせてやることも出来るが、翌日から一日だけ神通力が一切ない状態となり、ただの人となる。優しすぎるのが難点。


奈多神(なたがみ)
男。涙神の髪飾りに身を宿し、泣いてばかりの涙神の代わりに笑ってあげるかみさま。互いに互いの心の隙間を埋め合う、親友以上恋人未満な関係。普段から涙神と共に行動している。笑顔が絶えない心優しいかみさま。涙神の対。


槌神(つちがみ)
男。装飾の施された大槌に宿るかみさま。人や神の秩序を監視し、裁く。悪者には裁きの鉄槌を、善者には大いなる福音をもたらす。秩序に対しては真面目そのものであるが素直すぎるツン。所謂ツンギレ。短気で遠回りを嫌うためいつもせわしい。よく寝込む。


四季神(しきがみ)
女。四季折々のあらゆる現象をつれてくるかみさま。 神社を拠点にふらふら歩き回っている。いつ も何かしらの菓子を持っていて、散歩の途中に木陰でおやつ。温厚でほのぼのとしているが、一度激昂すると四季が入り乱れ、しばらくの間、周囲に混沌をもたらす。


御命神(みことがみ)
女。生命の誕生、魂などあらゆる命に寄り添うかみさま。一時的なものであるが、息吹によりモノに命を宿すことが出来る。多重人格者。御命神、御尊神を一つの器に宿している。明るい御命神、冷酷無比な御尊神。人の死に触れると御尊神に入れ替わる。


縫神(ほつれがみ)
女。縫い針に宿る、縁結びのかみさま。恋愛だけでなくありとあらゆる縁を繋ぐ。繋いだ人と人との間に生まれた事象には、どんな末路が待っていようと一切の干渉は出来ない。着物のほつれも直してくれる。想神の紡ぐ糸を使っていて犬猫好き。片想われ。


云神(ことかみ)
男。言葉に力を宿す言霊のかみさま。言葉にしたことを具現化出来、神々の中でもその能力の可能性は多岐に渡る。云神は自分の力量を越えた言霊を使うと言霊とり殺される場合もある。言霊に宿る神は複数いるが、云神は中でも神通力が強く死や呪いまでもを簡単に操れる。電波さん。


穂神(ほがみ)
女。田畑、稲に宿る豊穣のかみさま。神通力はあまり強くないが、稲穂が黄金色に色付いた頃から力が増し、共に風に揺れながら、静かに豊穣を祈り続ける大器晩成型。かつての戦神であった亡き安佐神(艶神の双子)とは恋人同士だった。純粋無垢な性格。


裁神(たちがみ)
男。長刀に宿るかつての戦で大将首を取ったかみさま。戦のなくなった今も、戦を望んでいる。戦がなけれぱ自分の存在価値を見出だせず、ずっと桜の木の下で長刀を研いでいる。何故か四季神には逆らえず、言うことを聞いてしまう熱血不器用さん。


瞬神(またたきがみ)
男。流星や暦のかみさま。傷神、疚神の請け合ったものをさりげなく軽減する、言わば薬師。瞬きを一回する間にいつの間にか姿を消してしまうので神たちは瞬神に礼を言えた試しがない。照れ屋で感謝の言葉が苦手。密かに鎮神に片想い中。若干コミュ障。


怠神(なまけがみ)
女。疲れている人に事に応じた恩恵を与えるかみさま。 普段はものすごくものぐさで何もしないでいるが、薄氷の瓢箪を作っている張本人。一度行動し始めると神通力を消耗しきるまで働く極端な性格。疲れが溜まると周囲のものが凍り始めるので厄介。


八重神(やえがみ)
女。当代彦神が五百年に一度の厄災で役目を果たすまで、彦神を結界により守護するかみさま。穏和で物静かだが、彦神を溺愛しているため過保護で、彦神が誹謗中傷されようものならたち まち鬼神と化す。神通力はかなり高い。ことあるごとに感じる既視感に悩まされている。


翔神(かけがみ)
男。願掛けに報うかみさま。祈願相応の福を与えることが出来、禁術を律する。呪いの類いにめっぽう強い。厄災を鎮めるために身を投じる彦神を仮死状態に出来る。このハイスペックさでドMの賭け事で負けるのが大好きな奇人。


絃神(つるかみ)
女。琴に宿る雅楽のかみさま。琴や笛 を奏で、人の心にやさしく干渉することが出来る。礼節を重んじる堅物お姉さんかと思いきや、いきなり全力で甘えてくる極端な性格。天大御神が従えている天狐のもち(鏡餅雪寿丸)が大好き。怒ると音波と不協和音が……


万智神(まちがみ)
女。学問のかみさま。ありとあらゆる知識を統べ導く。書物を片手に何か怪しげなことをぶつぶつ喋っている。博識なことが裏目に出ており、理論付けした上での思い込みが激しい。誰かを待っているが、その誰かは架空。ちょっとガチでヤバイ系の病みっ子さん。


小夜神(さやかみ)
女。ありとあらゆる影に宿るかみさま。人の心の影にもひっそりと潜む。行動範囲は影のある場所と限られているが、夜は自由に走り回れる。彦神に恋慕中の必死系ヤンデレちゃん。彦神を崇拝する勢い。聖域扱い。


香咲神(かざかみ)
女。桃の木に宿る、少しだけ過去や未来を覗けるかみさま。刻神と違い、時を操る等のことまでは出来ず、覗けるといっても現在から十分範囲のもの。『こうあるべき』という意識や思い込みが強いが、むしろそれは『こうありたい』という自らへの理想が高い証 拠。


颯樹神(さつきがみ)
女。丘上の大木に宿る、瓢箪世界の均 衡を保ち、五百年に一度の厄災を察知出来る唯一のかみさま。神通力は天 神に託したため低い。天大御神の双子の姉で琥珀神の小姑。楽観的な天神とは正反対で、何事も悲観的に捉えてしまう節があり、天神によく泣きつく。


琥珀神(こはくがみ)
女。天大御神最愛の妻。天大御神が生み出した神々に名を与える役割を担う。云神の一派で、西洋神との混血。故に今でこそ天大御神の妻として傍らに立つが、元々彼女は天大御神から生まれた神ではない。天大御神を御神さまと呼び、感情の浮き沈みが激しい。


箱神(はこがみ)
男。神社のからくり箱に封印されているかみさま。 結界が多重に張ってあるためそこから動けない。 結界から半径三尺より外のことは聞こえないし見えない。一見害はないように見えるが、神の証となる赤い紋様が唯一黒い。厄災を招く…? 世間知らずの箱入り。


鈴神(すずかみ)
封印されている箱神の結界を張り続けるかみさま。 箱神の存在の真相を探っている。短時間なら自らの分身を作り代わりに結界を張らせることも出来る。その間人と接触を図る。鈴の音で人の心から求める情報を抜き取ることが出来る。寡黙。


社神(やしろがみ)
神社のご神木に宿るかみさま。普段はぼーっとしていてドジばかりを踏む。社神は元は箱神と同じ異 端の神として多重封印されていた過去がある。現在社神としてご神木に宿っているのは、箱神の頃に一度自害したためだが、本人の記憶は醸神により消されている。


葉去神(はこがみ)
男。箱神を生み出す闇の深淵に立つかみさま。誰かが生を終える度に神通力が増す。今や誰も封印することが出来なくなってしまった厄災の神。木の葉を刃にすることが出来、またその刃に呪いを掛けることも出来る。ゲス。


葉来神(はくがみ)
女。箱神に悪意を定着させる闇の深淵に立つかみさま。葉去神とは対に当たり、また同様に厄災の神。葉去神は鞭のみであるが、葉来神は飴の役割も果たす。記憶を操作、捏造することが出来る。ゲス。


天大御神(あまつおおみかみ)
男。数多の神々を統べる神。ずぼらでだらしない。寝転がってみかんをむしゃむしゃ食べているだけのようなかみさまだが、統べている神々の力を制約なく使うことが出来、また神々から力を剥奪する権限と力を持つ。葉去神、葉来神などの祟り神は例外。


鏡餅雪寿丸(きょうへいせつじゅまる)
おんなのこの天狐。普段は大きな狐の姿で尾は三つ。天大御神と契約しており、天大御神が大好きでやきもちやき。琥珀といちゃいちゃしていたらスッと割り込みその場に鎮座する。喋る。天大御神にはもち、もっち等と呼ばれている。



その他補充で安佐神、鎚神、瀬渡神がおります。
瀬渡神は詩神の対となる合作っ子です。
追加予定あります。






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