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 大正 / 白花の咲く

▼あらすじ

時は大正、西洋の文化が生活に馴染み始めたこの頃。
緑そよぐ田舎の屋敷から、青年は手紙を書いていた。
尊敬する文筆家へ宛てた二十九通目の手紙である。
決して卑しくなく、清純なその文章。
様々な角度から物事を捉えるそれに才能を見出だした文筆家は、「書生として上京しないか、自分から何か学べるものがあるのなら」と話を持ち掛けた。
あれから三年、青年は文筆家の元を訪ね、兼ねてよりの約束を果たし、書生として下宿することと相成った。
そこで出逢ったのは、美しくも陰を負う、まるで人形のような、一人の娘であった。

淡く拙く、あなたに一途。



【主要人物】
▼御浦十郎/みうらじゅうろう
守代咲太(もりしろさくた/文筆家)の書生さん。
真面目で天然で純情な黒髪短髪青年。
色恋沙汰はからっきしの割りに浪漫派。
文学に限らず、学ぶものや興味のあるものは多岐に渡り、非常に博識である。
常に何かについて考察している。ただし独り言が多い。
本の虫でいつも本を携えている。
書いている小説や詩は基本的に写実中心だが、虚構も好む。
本を書く、読む以外では豆本収集が趣味。


▼倉科花親/くらしなはなちか
文筆家の守代咲太を父に持つお嬢さん。
御浦とは違った方に博識で様々な分野に長けているが、当たり前とされる一般常識など意外なことを知らなかったりする。
思い込みや決めつけが強く、人と関わることが苦手で、学校から帰ると部屋に篭りがち。
西洋人形と疑似会話をするのが精一杯。
西洋絵画を好み、自分で本格的に描くほど。
独学であるため未熟ではあるが、才能はある。


▼守代咲太/もりしろさくた
本名は倉科泰親(くらしなやすちか)。
文筆家で、花親の父親。
楽天的で豪快な無精髭のおじさん。
十郎からの熱烈な手紙に文才を見出だし、書生として屋敷に招いた。
書いているものは写実的。
自らの考えや主張を大胆に盛り込み発信している。
ヘビースモーカーだが花親の前では吸わない。


▼篠村清司/しのむらせいじ
隠れた憩いの場、喫茶『どうる』のマスター。
落ち着いた言動とは裏腹に内心は様々な方向に注意が散漫している少し残念な人。
人の話を聞いていないことが本当に多い。
御浦の義兄。


▼篠村眞弓/しのむらまゆみ
篠村清司の妻であり、御浦の姉。
喫茶『どうる』でささやかにお菓子を作っている。
淑やかで物腰柔らかだが、恐妻。
清司が何かやらかすと笑顔でアイアンクローをかます。
趣味は清司とひなたぼっこ。


▼冬崎穂積/ふゆさきほづみ
御浦の田舎の友人で、天葉神社の若き神主。
冷静沈着で話し方が古風。普段は冷たい印象。
何事に対してもあまり関心を向けないが、からくりには我を忘れ没頭し自ら設計して作ってしまうほど一途。
色恋沙汰に口出しはするが自分のこととなると煙に巻く。そういった面では不器用な照れ屋。


▼氷坂万里子/ひさかまりこ
冬崎が当代を務める天葉神社の舞巫女。
表情豊かで誰に対しても慈愛の瞳を向ける純真無垢な人。
笛と山茶花、怪談話が好き。
からくり、人形に対して恐怖心を抱いている。


▼舞塚頼人/まいづかよりと
御浦の帝都での友人で倉科家とは馴染み。
妖しい古書店をまったりと営んでいる。
大雑把な性格で、楽観的。
御浦の色恋を応援したり邪魔をしたりと、人を惑わせたりするのが好き。
行動からも言葉からも、何を考えているか読み取れない。
本人曰く、「幸せのかたちと葛藤し」ているらしい。


▼ほか
御浦篤郎、御浦勘九郎、居、彼里、花柳、紅花、銀花、初夏、晩夏






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