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 中華和風 / 花星奇譚

▼あらすじ

様々な能力を持つ者、“沌師”。
世界を渡り歩き、世界を創っていく。
壊して、いく。
仄暗い心の灯火にそっと触れて、問い掛ける。
――何が正解?
暗闇の洞窟に幾千幾万と灯る蝋燭。

色彩師が言った。
なんとまあ、随分と融通のきかない世界だ、と。


▼沌師
様々な能力を持つ者を総じてこう呼ぶ。
あらゆる世界を渡り歩く放浪沌師もいれば、ひとつの世界に留まる沌師もいる。
姿鏡により世界は繋がっており、沌師はこの各地の姿鏡から自由に行き来することが出来る。



【主要人物】

▼字伏/あざふせ
色彩師。
無色に色彩を宿す者。
男23歳。白の片翼(右)を持つ。
沌師無色透明な世界で、唯一全ての色彩を瞳に捉えることが出来る。
筆に吐息を吹き掛け、筆を置くことで色彩を宿す。
心が澄んでいなければならない。
不真面目で不器用に思われがちだが、真面目で器用。
「ま、仕方ねえことだよ、なあ」


▼胡乱/こらん
調律師。
数ある世界の均衡を保つ者。
女25歳。鴉の翼を持つ。
結界の張られた倉の中で天秤を携えて全ての事象を見守り、時折干渉し調整を施す。
世界の奏でる唄の音色、声は、彼女しか聞くことが出来ない。
性格にも表情にも声にも、胡乱という人物においては抑揚が一切ない。
足が不自由。
「ふふ、私は此処から動けぬでな。任せるよ」


▼博砂/はくさ
夢現師。
夢物語を紡ぐ者。
男26歳。鷹の翼を持つ。
ひとが見た夢をあたかも現実であるかのように再現することが出来る。
またその夢にひとを引き入れることも出来るが、一度入ると出ることが出来ない。
言葉巧みにひとを諭し、騙し、無邪気に笑う。
何がしたいかよく分からない屁理屈屋。
「お前さん、それさっきと噛み合ってねえべや?」


▼已緒/いお
毒薬師。
罪無きを律する者。
女24歳。朱鷺の翼を持つ。
双子の弟、倚須と共に毒薬を調合することが出来る。
また、良薬を呪詛により毒薬に変えることも出来る。
自信家で他人を見下している反面、弟に依存しており、弟と死に別れることを思うだけで泣き時雨れてしまうような弱い部分もある。
「毒の注文が絶えないわね。愚かな、嗚呼、愚かな」


▼倚須/いず
毒薬師。
罪負いを罰する者。
男24歳。燕の翼を持つ。
双子の姉、已緒と共に毒薬を調合することが出来る。
また、毒薬を良薬に変えることも出来る。
姉である已緒を愛しており、深く依存している。
嫉妬深く、何を引き金にいつ激昂するか分からず、常に情緒不安定。
「姉上に触れるな。――名も呼ぶな」


▼宗來/そうらい
虚言師。
真紡がぬ戒められし者。
性別、年齢共に不詳。梟の翼を持つ。
無差別にひとの心を読むことが出来る。
また真を嘘に変えることも出来る。
過去の業の戒めにより自らが紡ぐ言葉は全て他の者に理解を得られない。どんな言葉も逆再生。
両耳が聴こえない。目は包帯で隠している。
普段は調律師の胡乱の元に身を寄せている。
「すまいざごにけだるいてべのをとこまはれお」
(俺は真を述べているだけにございます)


▼尭/ぎょう
傀儡師。
魂の選定を担う者。
男23歳。百舌鳥の翼を持つ。
生者から魂を抜き取り傀儡とし、自らの支配下におくことが出来る。
真性の加虐嗜好。外道を極めている。
数体の傀儡に異常なまでの愛を注いでいる。
愛する傀儡の名は、――。
「狂人とはまた随分な言われようであるな! 愉快愉快」


▼乎銀/やぎん
創元師。
創造に魅入られた者。
男34歳。鷲の翼を持つ。
見たことのあるものであれば、物、事象問わず自由に再現することが出来る。
ひとは一時間しか再現することが出来ない。
心優しく博識。優しすぎるのが難点。いつも敬語。
何か探し物をしているらしい。
「君はこんなものを見たことがありますか? ……ありませんか、ああいえ、お気になさらず」


▼郷李/さとり
心伝師。
心通わせ語り継ぐ者。
女15歳。小さな金糸雀の翼を持つ。
樹木や小鳥など、言葉を持たないものと対話することが出来る。
静かな場所を好み、ひとのいる世界にはすすんで行こうとしないため他人と話す時は簡潔。
時折何かに怯える素振りを見せる。
「……わかる。あっち」


▼佐鏡/さきょう
複製師。
嘘か真か嘘を真にする者。
男27歳。海猫の翼を持つ。
あることないこと、万物を支配し、複製することが出来る。
また、嘘を真にすることが出来る。
冷静で淡々としているが、本当は優しい。
他人の優しさに慣れておらず、苦笑するばかり。
「どちらが正しい? 正直に申せ。……そうか、それがお前の答えだな?」


▼宮瀬/くぜ
色砕師。
色彩に仇為す者。
男24歳。黒い片翼(左)。
色彩師が残した色を無色に還すことが出来る。
また、色と共にその色に関する記憶も無色に還すことが出来る。
基本的に他人との馴れ合いを拒み、一人気ままに放浪するのが好き。
色彩師とは折り合いが悪く、意見が合わないが、何だかんだ唯一素で会話出来るのは色彩師。
「……てめえ俺に馴れ馴れしく触るってなあ喧嘩売ってんのか」


▼裏十/りと
言霊師。
言葉に魂を宿す者。
女、年齢不詳。隼の翼を持つ。
言葉に力を宿し、あらゆる事象を引き起こすことが出来る。
また、死者と対話することも出来る。
本人は滅多と口を開かず、沌師の中でも声を覚えている人物はあまりいない。
心伝師の郷李とは気が合う。
「……」


▼鳴朝/なりとも
幻灯師。
魂を費やし、魂を見守る者。
男、年齢不詳。翼を持たない。
ひとの寿命を具現化し、干渉することが出来る。
暗い洞窟の中で魂の化身である無数の蝋燭の中心で静かに座っている。
見た目は若いが、発言がじじくさいため他の沌師からは『長老』『長』『じいさん』などと呼ばれている。
落ち着いていて相談相手に適しているが、たまに天然発言をかましたりぼんやりして話を聞いていなかったりする。
「……じいさ……ひどい、俺まだ若いのにひどい、ん? あれ、俺何歳だっけ? ……まあとにかくひどい」


▼ほか
傳仙、楊、小芳、涙雪、百辛









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