17:08 #あなたをいつも書いてる小説風に紹介する 2
▼紹介はあくまでこんなイメージのこんな感じの人、というざっくりとしたものです。
▼IDは伏せております。
静寂を供にした雪景色に、紅一点。と君は笑っ た。僕の胸に突き立てられた剣。深く輝く紫の瞳が、ひどく優しく。「この雪景色に、華やかな花のひとつでもと」白く咲く山茶花の君は何を考えているのか、紅き牡丹の及ぶところではないのかな。
「あの子は元気かな。無理してないかな」君の膝の上にもっふりと座り、そんな一人言を聞いている。「そばにいてやりたいな。」ふうむ。「……ところでうさぎさん、君美味しそうだね?」うさぎのぼくには分からないことばかりだ!
花に戀した青年がいた。青年がその花の名を呼ばない日はない。日陰に咲く花は、青年の聲を太陽のように愛し、幸福に抱かれて咲き誇る。穏やかに紡がれていく物語に、挟むのは無粋かね。と、僕は今まさに口と栞を捨てたところだ。
冬の日、橙を宿す街灯の下に君の姿を見た気がする。もこもこのコートを纏った少女は、気紛れにそこに現れ、気紛れにそこから消えた。「よう、少女」話し掛けたのも、君が振り向いたのも、気紛れ、きまぐれ。何か話そう。何か ら話そう?
青い小さな羽根を、どうやら君は隠し持っているらしかった。君の身体は辺りを少し浮いている。空の彼方へ行ってしまうのか?「え、行かないけど……青い羽根募金、する?」「……。」そのままふわふわしてろと思う、平和な昼下がりだ。
みなもにひらり舞い降りる桜の花弁は、とある少女の泪だと云う。鈴の音とともに、其れは吹雪いた。「何故嘆くか?」僕が問えば「嘆いてなんかないよ。ただ、」幸福だなあって、思ったの。――僕は少女の聲の彼方に、泪の色の訳を知る。
砂時計の、この一粒一粒の時間の欠片を、僕たちはどう使っていくのだろう。と、僕は呟く。「真面目っすね」砂時計を手に、君は笑う。「まあ、必ず傾けなきゃいけない訳じゃあ、ないですから」じゃあ、沈黙する砂を、楽しみますか?
「私は君が好きです。君の笑顔も声も」なんて、そんな風に、人を嬉しくさせる言葉を素直に言える君が羨ましかった。こんなあたたかい雪は初めてだ。「あとね、」「もういい。よく聞け僕も君が好きだ」やさしい聲で頷く君は、真っ直ぐに僕の瞳を捉えている。
草木の生い茂る森を、ひたすらに掻き分けて進むのは、かつて王と呼ばれた彼だった。頬の泥を涙で洗い、全てを凪いで求めるは、一人の娘だ。「私の目の届かぬところへ行くな、」娘を抱き寄せ、王は、ようやく安寧を手に入れる。
白銀の月が冷徹な瞳で僕を見下ろしている。その圧倒的な存在に思わず目を逸らすと、不思議な色を宿した瞳と視線が絡んだ。「なんだか、不安になってきますね。今日の月は」「……じゃあ、忘れちゃいましょうか?」優しい味のする葡萄酒を、丁度持っていますから。
「魔法が使えるのか?」その問いに、彼女は悪戯に笑んだだけだった。「魔女なのか?」重ねて問う僕に彼女はうーんと空を仰いで、こう言った。「魔法なんかじゃないし、魔女でもないわ。 私のおうち、箒がないのよね」そうしてまた、悪戯に笑う。僕の傷は、……癒えている。
こんもり。布団にくるまった君を、僕は見下ろしている。「ねむい」うとうと、ふかふかの布団に頬擦りするのは、毎朝のことなのだけれど。「起きて」優しく、幸福時間終了と告ぐ。「ふざけんなー、ねむいんだー」……。僕は、布団のひっぺがし方ばかり上手くなっていく。
君に届ける手紙には、“色彩のきみへ”と、こう記そう。僕の手紙は、黒い文字が柔々と整列しているだけだが、君の手紙はいつも、色彩に富む文字が踊っている。僕は僕の文字たちのために、色彩を宿す術を知りたいものだ。だからいつか、ゆっくりお茶でもどうです?
暖かく灯る、蝋燭に触れようとする。あ、待って熱いよ。火傷しちゃうよ。どこからか、慌てたような声が聞こえた。「……あつくないよ、あったかいよ。」ふわ、ふわ。蝋燭の火を指先に絡めて、笑った。 「だいじょうぶだよ」そうなの?「そうなの」
「おいで」泣き虫な君の、小さな背中に語りか ける。沈黙する君に、僕は深く溜め息をつく。 びくりと震う肩まで、唇を寄せてもう一度。 「おいで」と。いじわるしないで、とより泣きじゃくる君は、「もう昔の話かね」膝に座る、 君を撫で。
夢を見ていた。月の明かりの穏やかな夜に、君がふうっと吐息で星を散りばめる夢。金平糖のような、淡い星々がころころと夜空を転がり、 忽ち辺りはやさしいひかりで照らされた。「おはようございます」夢現。君の聲で、目を覚ます朝。
アクアリウムは語らない。静かに青を煌めかせ、深く、深く眠っている。その青に魅入られいつしか、一日にアクアリウムを眺めている時間が随分と長くなった。青は僕に安らぎを与え、僕の瞳の中でも煌めいている。蒼空の果てを、見た気がしていた。
僕は椛葉の舞う秋晴れの空を見ている。僕と背中合わせに微睡む君の瞳は、どんな季節のどんな景色を映すのだろう。「空の色は、そちらも青いかね?」「まあ、青いですよ」さて、その青さを語るのに、これからまた少し、時間を共にしましょうか、?
君の姿が鮮明に、僕の網膜に焼き付いている。君の紡ぐもの、描くもの。僕は、どれだけの創造に触れられるだろう。これから触れていける? この胸に抱ける? 目の前の、君の世界への扉。僅かな隙間から溢れているのは、目映いほどの光。扉を開ける。その向こうに、君が待っているのだと期待して。
ころり、ことん。なんの音だ? と首を傾げ辺 りを見回すと、蜻蛉玉が落ちていた。きれいなそれを拾うと、ふわりと消えてしまった。残ったのは、無垢な言の葉ひとつ。僕は言の葉を胸に歩き出す。この葉を辿れば、君に逢える気がして。
君の紡ぐ物語は、いつも穢れを知らない少女の姿を彷彿とさせた。清く、純粋な君の心を投影した物語。「すてきな物語を書きたいな!」愛らしいその心を綴るペン先は、僕には「頑張るから、側で見ていてね」と、そう聞こえた。
文字を愛した人だった。静かな夜、君の指先が夜空に綴り始めた文章を、僕は追っていく。この夜、君が僕に伝えた物語は、迎える朝が飲み込んでしまうのだろう。けれども僕は、覚えているとも。細く連なる、その文字たちの心までを。
いくらかの勇気も持てず、足踏みをするしかない僕に、いい加減さよならを告げたいものだ。 君が好きだよと。君のつくるものが大好きだよと。ただまだ一欠片しか知らないが、君の世界を覗き込んだら、帰りたくなくなる気がしている。
たくさんの反応、二回目の方もありがとうございました!
とても楽しく書かせていただきました。
あくまで私のイメージなので、全然違う!
という方にはすみません(;w;)ww