AM2:00のお話し

パチッ、と突然ナツは目が覚めた。いつもなら夜中に目は覚めない。
再び目を閉じてはみたが、なかなか寝れない。隣にはハッピーが幸せそうな顔をして寝ていて、さかなぁ、と呟いていた。

何度も寝ようと試みたがなかなか寝付けなかった。どうしようか、と考えてルーシィの顔が頭の中に浮かんだ。ルーシィは寝ているかもしれないが、行ってみることにした。

*****

街は静まり返っていて、ナツの足音が街中に響いていた。寒くはないが、凍てつく空気のせいで白くなる息はルーシィの家が近づく度に大きくなり、ナツの好奇心みたいだった。

しばらくしてルーシィの家に着いたが、やはり部屋の電気は消えていた。けれどここまで来たのに何もしないで帰るのはつまらないので、ルーシィの家に侵入することにした。

ハッピーがいないから窓から侵入はできない。壁をよじ登るのも一つの手段だが、今日は素直に階段を使うことにした。階段を駆け上がり玄関の扉を開けようとしたが、当然鍵がかかっていた。チッと舌打ちをし、これはプランTしかないな、とナツは不適に笑った。

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プランTは成功し、ルーシィの家に侵入したが、ルーシィは寝ているので部屋は暗かった。けれど暗闇でも目が利くナツには関係ない。真夜中の暗闇で、ナツはベッドの上のルーシィに近づいた。

ルーシィは静かに寝息をたてて寝ていた。ナツがそーっとルーシィの頬をつつくと、ルーシィはうーっと声を上げてもぞもぞと動き、やがて静かに寝始めた。

ナツはそれが面白く、もう一度、と顔に手を伸ばす。今度はどこをつつこうか、と指をさまよわせているとぷっくりと膨らんだ唇が視界に入ったので、押してみた。それは頬よりも弾力があり、触った瞬間、体の奥がぞくっとした。

それは初めての感覚で、気になってもう一度唇に触ろうとすると、唇が微かに開いた。

「…ん、ナツ…」

先程触った唇から出る声は普段よりも色っぽく、再び体の奥がぞくっとした。

一体何なんだ、とルーシィの唇とそれを触った指を見比べる。けれど答えは分からなくって、そうしているうちに、ナツはだんだん眠くなってきた。

また明日ルーシィに聞けばいいやと思い、ルーシィのベッドに潜り込んだ。



朝の目覚ましは、ルーシィの悲鳴だった








1月16日〜1月22日拍手小説

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