「じゃあまた明日ね」 「おう」「あいさー」 ナツとハッピーに別れを告げ、ギルドを出るルーシィ。 外は雪が積もっていた。 「お、ルーシィも今帰りか?」 突然後ろからグレイの声がかかる。 「グレイももう帰るの?」 「あぁ」 そう言って2人、なんとなく一緒に歩き始めた。 冷たい手でも良いよ 「雪けっこう積もったな」 「寒くて嫌だね」 「そうか?雪ある日のほうが楽しいぞ。ほら!」 グレイがそう言った瞬間、ルーシィの顔にポンッと冷たいものが当たった。 雪…? 驚いてグレイを見ると、命中したのが面白かったのか爆笑していた。 やられた…! そう思った瞬間、ルーシィはすぐにしゃがみ、適当な大きさの雪玉を作ってグレイに投げつけた。それはボンっと音を立ててグレイの首の辺りに命中した。 「今服に入ったぞ!」 「いつも服脱いでるんだからいいじゃない」 そう言ってもう一回、とグレイに雪玉を投げつける。今度はグレイも負けじとやり返し、しばらく2人は雪玉を投げあった。 「あー、手が痛いー!!」 「手袋を付けないで雪に触ったりするからだろ」 「グレイも手袋付けてないじゃない」 そう言ってルーシィはグレイの手を見るが、彼の手は普段と変わらない様子だった。 「俺は慣れてるからな。でもさすがに冷たくなったな」 ほらっ、とルーシィの頬に手を当てる。 「ひゃあ!」 あまりの冷たさにルーシィは悲鳴を上げた。グレイは可笑しそうに笑った。 「グレイの手、冷たい」 「手が冷たい人間は心があったかいんだって」 「えー、グレイが?」 「何気にひどいな、お前」 そう言ってグレイはルーシィの頬から手をどけた。ルーシィは、ハァーっと自分の手に息を吹きかけた。 「そんなに寒いなら手、繋ぐか?」 「2人とも冷たい手なのに?」 「冷たい手でも良いんだよ。2人で繋いでいればあったかくなる」 そう言ってグレイはルーシィの手を掴み、歩き始めた。 |