「ミラ、ルーシィどこ行ったんだ?」
「あらナツ。今日は来ないのかと思ったわ」

ナツは酒場へ行って早々にルーシィのことをミラに尋ねた。

「今日の朝、男の人にルーシィ告白されて、その返事をしに行ったの」
「……告白?」
「そうよ。好きです、付き合ってくださいって」
「付き合う…?」
「そうよ。一緒にいようってことね」
「返事は?」
「さぁ」

付き合う、ということがどんなことかはナツも知っている。

もしルーシィがそいつと付き合ったら…何か変わるのか?ギルドにはいつも通り顔を出すだろうし、仕事も一緒に行く。

「なんだ、別にルーシィがそいつと付き合ったて何にも変わらねぇ」
「…本当にそう思う?もうナツはルーシィの家に勝手に入ったら駄目なのよ?」

家に入ったら駄目…なのか。でもルーシィの家にその男は入っていいのか。

そこまで考えてチッ、と舌打ちをするナツ。

「ミラ、ルーシィどこに行ったんだ?」
「さぁ、分からないわ」

ミラは本当は知っているが、ナツがルーシィの邪魔をしないように言わないでおく。しかしナツはミラの返答を聞いてすぐにギルドの外へ走り出した。

「ちょっとナツ!どこ行くの!?」
「ルーシィのところ!止めてくる!」

そう言ってギルドから出て行った。居場所言わなくてもルーシィのいるところはすぐ分かっちゃうわよね、とミラはひっそり呟いた。


*****



ギルドを出るとナツはルーシィの歩いていった方向へ走った。

ルーシィがもし付き合ったら俺達といる時間は確実に減る。さっきは思わなかったが、ルーシィが誰かと付き合うっていうのはそういうことだ。

かすかに残るルーシィの匂いを頼りにしばらく走ると、公園にルーシィの姿を見つけた。ルーシィもナツを見つけて近づいた。

「どうしたの、ナツ。何でここにいるの?」
「いや・・・それより返事、もうしたのか?」
「振ったわよ。やっぱり知り合いでもない人と付き合うなんて無理よ」

それにナツ達といる時間が減るのも惜しいし、とルーシィは小さく呟いた。

俺達といる時間が減るのが嫌・・・・、なのか。それって俺と同じ気持ちだよな。

「なぁ、ルーシィ。手、繋いで帰ろうぜ」
「なんでよ、急に」

いいだろ、ほら。と言ってナツはルーシィの手を握ってギルドへ帰った。

帰り道、ルーシィはそっとナツの手を握りかえした。






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かおり様がイラストを書いて下さいました!

ルーシィの告白のお返事シーンはついすっ飛ばしてしまいました。

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