「ミラ、ルーシィどこ行ったんだ?」 「あらナツ。今日は来ないのかと思ったわ」 ナツは酒場へ行って早々にルーシィのことをミラに尋ねた。 「今日の朝、男の人にルーシィ告白されて、その返事をしに行ったの」 「……告白?」 「そうよ。好きです、付き合ってくださいって」 「付き合う…?」 「そうよ。一緒にいようってことね」 「返事は?」 「さぁ」 付き合う、ということがどんなことかはナツも知っている。 もしルーシィがそいつと付き合ったら…何か変わるのか?ギルドにはいつも通り顔を出すだろうし、仕事も一緒に行く。 「なんだ、別にルーシィがそいつと付き合ったて何にも変わらねぇ」 「…本当にそう思う?もうナツはルーシィの家に勝手に入ったら駄目なのよ?」 家に入ったら駄目…なのか。でもルーシィの家にその男は入っていいのか。 そこまで考えてチッ、と舌打ちをするナツ。 「ミラ、ルーシィどこに行ったんだ?」 「さぁ、分からないわ」 ミラは本当は知っているが、ナツがルーシィの邪魔をしないように言わないでおく。しかしナツはミラの返答を聞いてすぐにギルドの外へ走り出した。 「ちょっとナツ!どこ行くの!?」 「ルーシィのところ!止めてくる!」 そう言ってギルドから出て行った。居場所言わなくてもルーシィのいるところはすぐ分かっちゃうわよね、とミラはひっそり呟いた。 ギルドを出るとナツはルーシィの歩いていった方向へ走った。 ルーシィがもし付き合ったら俺達といる時間は確実に減る。さっきは思わなかったが、ルーシィが誰かと付き合うっていうのはそういうことだ。 かすかに残るルーシィの匂いを頼りにしばらく走ると、公園にルーシィの姿を見つけた。ルーシィもナツを見つけて近づいた。 「どうしたの、ナツ。何でここにいるの?」 「いや・・・それより返事、もうしたのか?」 「振ったわよ。やっぱり知り合いでもない人と付き合うなんて無理よ」 それにナツ達といる時間が減るのも惜しいし、とルーシィは小さく呟いた。 俺達といる時間が減るのが嫌・・・・、なのか。それって俺と同じ気持ちだよな。 「なぁ、ルーシィ。手、繋いで帰ろうぜ」 「なんでよ、急に」 いいだろ、ほら。と言ってナツはルーシィの手を握ってギルドへ帰った。 帰り道、ルーシィはそっとナツの手を握りかえした。 |