「ねぇ、ルーシィ?」 にこやかに笑いながらロキはルーシィに近づく。 「……はぁ。ロキまた勝手に出てきたのね。」 「まぁね。」 ルーシィに会いたくて、という言葉は飲み込んで。 「ところでルーシィ、明日は暇?」 「暇じゃないわよ、明日はナツと仕事だもの。」 ナツか、とロキは心の中で言った。 複数形ではないから2人(ハッピーで3人?)で行くのだろう。 ルーシィの顔は凄く嬉しそうに笑っていて、毎日この顔を見ているだろうナツがロキはうらやましかった。 「何か用でもあった?」 「いや、用があるわけじゃないよ。ルーシィが暇ならホテルにでも連れ出して…「はいはいはーい、変態は星霊界に戻りなさーい」 そう言いながら楽しそうに笑うルーシィ。 でもさっきみたいな幸せそうな笑顔じゃないな、とロキは思った。 ……ルーシィの一番の笑顔はナツだけのものか。 それならば、とロキはルーシィの顔に自分の顔を近づけた。 今のナツじゃ見ることのないルーシィを見ればいい。 「ちょっ…ちょっと、顔…ち、近いんだけど…」 「ん?そう?」 ルーシィは顔が近いという恥ずかしさから顔が赤くなっていた。 こういう顔が見たかったんだ、と、でももっと、とロキはルーシィの耳元に口を近づた。 「ねぇ、このままキスしちゃう?」 ロキが耳元で囁くと、ルーシィは顔だけでなく耳まで赤くなり、口をパクパク動かしていた。 よしっ、とロキはルーシィの足技が来る前に、星霊界に戻った。 ゼロ距離の、余裕のない君 これで引き分けだ、と心の中でナツに呟いた。 |