グレイ様と仕事行きたいなぁ、とジュビアはこっそり溜め息を吐いた。 妖精の尻尾に入ったばかりの頃は、マスターの意向でグレイとジュビアは一緒に仕事に行っていたが、仕事に慣れるとグレイと行くことが少なくなっていった。 ルーシィはいつもグレイ様と仕事をしていて羨ましい。 ジュビアは1人で出来そうにない仕事はガジル君と行っているのに。 ……でも、今日は! グレイ様と仕事に行けるかもしれない! 今日はガジルと仕事の予定だったジュビアだが、ガジルはマスターの頼みで別の仕事が入ったから一緒に行けなくなったのだ。 チャンス、ジュビア、チャンスです!!、とジュビアは自分に気合いを入れた。 これを口実にグレイ様を仕事に誘おう! ジュビアはギルドの酒場を見渡し、食事をしているグレイ見つけた。 よしっ、と再び気合いを入れグレイに近づくジュビア。 そしてグレイの向かいの席に座った。 「あの、グレイ様。ジュビアと仕事に行っていただけますか?」 「あぁ?ガジルがいんだろ。」 「ガジル君は今日、別の仕事が入ってしまって。だから、グレイ様にお願いしたいのですが……。」 「ヤだよ、めんどくせぇ。」 ジュビーン!! ジュビア、ショック! ……はぁ、仕方ありません。 今日は1人で行こう。 そう思ってジュビアが席を立つと、「おい、ジュビア」とグレイが呼び止めた。 「待てよ、仕事行くんだろ。」 え、と小さくジュビアは呟いた。 「行って下さるのですか!?」 「めんどくせぇけど、仕方ないだろ。心配だし。」 仕方なさ気でも面倒見はいい 何だかんだで優しいグレイ様! ジュビアはもっと好きになりました! |