Oh my captain!


短いの二つ


「キャープテン」
語尾にハートマークでもついているんじゃないかってくらいのトーンで瞬木は俺を呼んだ。やけに機嫌がいいなぁ。噛んでいる途中だったハンバーグをちょっと急いで飲み込んで、俺は聞く。
「どうしたの?」
「キャプテンはニンジン好きだよな?」
「別に好きじゃないけど……」
「そうなのか? 食わないと大きくなれないぞ。好き嫌いはよくねーぞ」
ほら、とテーブルの向かいから手が伸びて、俺の皿にニンジンを落とした。俺と同じものが乗っていた瞬木の皿はもう空だ。やられた、と思った時にはもう彼は席を立っている。
「もう! お前が好き嫌いしてるんじゃないか!」
「してねーよ。伸び盛りの年下くんに栄養分をあげてやったんだろうが。むしろ感謝しろよ」
「一つしか変わらないだろ!」
「身長は結構違うだろ?」
ぐ、と言葉に詰まってる間に瞬木の背中は遠くなっていた。ほんとにあいつは、もう!




「キャープテン」
なぁに、と振り向いた瞬間にキスされた。
……キス!? えっ、えっ!!??
「うわあああ!?」
俺よりちょっとだけ分厚い胸板を思いっきり押して、俺は後ずさった、けどすぐ背中が壁についてしまった。くそー! ベッドの上に逃げ場なんてないんだ。瞬木はニヤニヤ舌なめずりしている。
「照れてんの? かわいいねー、キャプテンは」
シーツに手をついてもう一度迫ってくる唇に手のひらを押し付けて待ったをかけた。瞬木の眉が寄る。
「お、俺からしようと思ってたのに……! 次は俺からするから待って!」
寄っていた眉が離れて、目が丸くなって、それから顔が一気に赤く染まった。チャンス! 俺から唇を押し付けて離せば、今度は瞬木が背中を壁にぶつけていた。







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