停滞部屋 | ナノ
01

「・・・・・・・・・・・ん?」


目覚めて見たのは自分の部屋ではありえないくらい大きな天井だった。




「・・・なんだここ・・・えっ?ちょっ、あー、あーーーーーーー・・・」


ちょっと待ってくれ声がなんかおかしいぞ。



「ちょっと落ち着け自分・・・」

んーおかしいなー



さっきまで私お仕事行ってた、ちゃんと行ってた。家帰ってすぐプレ2に電源入れて・・・


「っそうだアビス!」


アビスの4週目プレイしようとして気がついたら・・・

そうだそうだ。




っていうか声が鈴健に似ている気がする。

来ている服が主人公のへそだしな気がする、やけに筋肉質な気がする。



「・・・・・・・」


ぐわしっ




胸を掴んでみた。



「・・・・・・・・・・・」



・・・すかっ、すかっ・・





無い!!!!!


唯一の女の武器が!!!無い!!!!


ちょっと待てこれってまさか



「鏡・・・・あった・・・・っあーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」




股間にもよくないモノがあああああああああああああああ











鏡に向かって絶叫して間も無くバンッ!!と勢いよく扉が開いた。



「大丈夫かルーク!!!」




あ、やっぱりルークに見えますよね。てかきっとそうなんですよね、おねーさんビックリなんですけど。


心配そうに息を切らしてやって来たのは金髪の似合うイケメンことガイラルディアさん。



「あー・・・あぁ・・」


めっちゃ歯切れの悪い返事をしたらメイドが集まって来て、それから屋敷を守る騎士団みたいなのもやって来て人だかりが一気に出来た。


うおお怖ぇ


ルーク言われたけどルークじゃないけどねっ

それと私すごく人見知りっ!


なにこれややこしい。




「あー・・・えっと、ガイ?頭が急に痛くなっただけだから・・・」


「そうだったのか・・・にしても顔色が赤いぞ、医者に見てもらうか?」

咄嗟にルークらしい返事をするとガイがおでこを触ってきた。


い、いけめんが・・・!!

「あー、でも今は痛くないから!大丈夫!ホントに!」



ち か い !!!!


顔めっちゃ近いよ!!ってか触るな!!!顔赤いのはあんたのせいだ!!!!




「・・・そうか、辛くなったら言えよ?皆持ち場に戻ってくれ」




答えるとガイが使用人たちを掃けさせていく。

もうわやくちゃもいいところだと思う。




「騒いだりしてごめんな」

とりあえず使用人だろうが無駄に働かせてしまったと思うので軽く頭を下げた、一応わたし社会人ですしおすし。





「おー気にすん・・・・・」

え、急にガイの笑顔が消えた。



「ん?ガイ?」



なんかおかしいことした?もういきなりばれた??これやばい??





「ルークがあやまった、だと・・・」

「あ」


それは



「ルークぅぅうううううう!!!」

「うわあああああああああ!!!」



抱きしめられた。ガイの筋肉やべぇ!カッコイイ!!!

って違う!!そうかまだ短髪ルークじゃないいいいいいい




「・・・ガイぐるじい」

「あ、悪いな。・・・あぁルークが人を気遣うなんて!!」

今日は良い日だ!と爽やかスマイルを放つガイ。







おいおいおかしいだろ!気付いて!!!







*


間。



*


とりあえず雰囲気的にもうルークじゃないと言えなくなってしまったので、ルークのふりをする事にした。

すいませんチキンで。もうタンドリーチキンにして下さい。うわすれ違う人みんな頭下げてくるもうやだこわいトイレどこだよおおおお



とりあえず落ち着くまでは地味に障害を乗り越えていこうと思う。

あ、トイレは自室にありました。ルークのルーク君は立派でした(下ねた)





障害@ ガイ





「ルーク!お前なんか急に俺を避けてないか?」

いやどっか行く度に出てくるガイが怖いだけです。

っていうか超自然に肩抱いてくる使用人怖い(ガイホモ疑惑浮上中)



でもちょっとしょげてる気がする、これは悪いかな・・・。




ちゃんとした理由をつけておかないとまずいか、

「そんなこと無ぇって!ただ俺だってあんまりガイに甘えてられないなっt「ルーク・・・」・・・はい?」



「前はそんな事ちっとも言わなかったのに・・・成長してるんだな・・」



偉いぞ・・・!!と私(ルーク)の頭を撫でて彼は去って行った。


・・・ガイさんの目から光るものが見えたような








障害A 母上と父上


部屋でフォニック文字を覚えていると昼食になった。(ちょっとした騒ぎになっていたがもう無視だ)



時間は過ぎ昼食の時間。




「ルーク、食が進んでないようだが調子が悪いのか?」

「ち、父上」



中々手をつけないのを見かねてついに声を掛けられてしまった。

怖い!威厳が!!



緊張しすぎて食えんって!!!!




「今日は嫌いなものは無いはずだけれど・・・」


おかしいわね、とシュザンヌさん。

あー心臓張り裂けそうなくらいドキドキしてるわ・・


仕方ない、と食事に目を向けた。

そういえば私の前にだけあまり野菜系が無い。甘やかしてるのかこれは



「あーえっと・・・な、なんでもないです!ただ・・野菜も食べないとなーって」


まあ怖くて食が進まないのが本音だけど(ナイフとフォークでも食べやすいやつにしてほしい)


「まあ」


「なんと」




・・その後はやっぱり大喜びされました。


お二人からおこずかい?で銀細工の高価そうな時計を戴いてしまった・・・。



一応なんとか誤魔化せたのか・・?ちょっと罪悪感感じてきたなー







障害そのB ナタリア嬢




慣れないテーブルマナーをなんとか駆使してフォニック文字の続きを覚えることにした。




英語とローマ字読みが組み合わさっているから文字を覚えてしまえば楽そうだ。ルーク字汚いらしいし(失礼)



今日中に覚えないとルークの毎日つけてる日記が書けないから結構やばい。

ルークの部屋に転がっていた漫画?のような物から絵本までわかりやすいのがたくさん転がっているのがラッキーだった。




コンコン。


「?はぁい」

「ルーク!私ですわ!」

この元気な声は・・・・言い終わる前に本人が入ってきた。


「皆から聞きましてよ、あの勉強が嫌いな貴方が自ら勉強をなさって・・・素晴らしいですわ!」

「ナタリア・・・」

入ってくるなりマシンガントークをかまし私のノートを覗く彼女はどこか上品に見えた。


ついでに言うと私は外国人のスキンシップに慣れてない(ガイ然り)

ナタリアの急に抱きついてきたり手を握られたりで内心は恋する乙女並みにドキドキしてる。



「第七音素の本を読むなんて、関心ですわ!」

「そんな大したことじゃないだろ」

ちなみにそれは最初から転がってたやつです全然読んでないませんねー




「一生懸命私との約束を思い出そうとしてくださっているのでしょう?ルークったら」

「おーい」

私の話は聞いてるのか聞いてないのか頬を赤らめ妄想を走らせる彼女はおてんばと言う言葉が似合うんだろうなと思いました。




「あぁルーク、そんなに見つめられると照れてしまいますわ・・・」



なにしにきたんだこの人。







障害そのD ヒゲ





どうやらお忍びでやってきたらしいナタリアは意外にもすぐに帰って行った。まるで台風みたいな人だ。



これから私は催眠とヒゲと眉毛に定評があるあのお方に剣舞とやらを教わるらしい。

あ、決して嫌いな訳じゃないですから安心を。


ってかこれ完全にボロでる。

木刀なんて中学の修学旅行のお土産で騒いだ以来だよ・・・。



嫌々、ではルークになれないので引き攣った微笑を浮かべながら中庭へ、そこにはもう彼が到着していた。





うはーラスボスだー。きんちょうしてきたああああ


「ルークどうした?表情が強張っているぞ」

「あ、なんでもないです!」


剣舞って言ってもやったことないぞ・・・・





そうだ。


「師匠!オレ基本の型もう一度教えて欲しいんですけど・・」

「そうだな、何事も基本が大事な事に気付いたかルーク」


買い被りも良い所や。・・というツッコミは置いといて、上手くいった。



これでばれない、かな・・・・。







障害そのE  シナリオの問題




「ほぅ、中々上達したなルーク。」

「えっ!?あ、ありがとうございます」


お か し い だ ろ !!!!



なんで小一時間で初めて木刀を持った私が褒められるんだ!

なんか物陰からガイが涙流してるしもうこれどんな星一徹なの・・あ、甘えたくないって言ったからか・・・





――――・・・トゥエ レィ ズェ クロア リュ トゥエ ズェ




突然遠くから聞こえるゆかなボイス。


おいおいおいおいおいおいおいおい!!!



「兄さん、覚悟!!」

「ティア!?」


エンダァァァァァアアアアア




早い!早すぎるよォ!!

ホイットニーの名曲がもれなく私の終わりを告げている・・そんな気がした。



ええええ嫌だー!!

もしかして本編始まるやつ!?

あ、でも私木刀持ってる。


このまま眺めといたら事収まるんじゃね?



「ルーク、危ない!!」

「ガイ!・・・うぉわっ!!!」



大丈夫だと、そんな事を考えた時期が私にもありました。


ヴァンに迫り来るティアがナイフを投げる―――――・・ん?原作でそんなの・・・



サクッ

「ああああああ!!!」

ティアの飛ばしたナイフが私に飛んできて木刀に命中した。

どんだけ運いいんだ!






と、思った瞬間。


――――――――――――・・・






ジリリリリリリリrrrr・・・・・・ピ。







「ん、・・・・あえ?」





いつもの自分のふとん、と天井。



「んー・・・」



だれもいない部屋、


あぁ無意識に目覚まし止めてた・・・





「なんの夢だっけ・・・」




ま、いっか。


すごく楽しかった気がするし。






**

つづく・・・・?









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