ウソでも「キライ」だといえない▼
※一応 クラトス←エル←ロイド
旅の途中で立ち寄った小さな村にて、
調度その日は記録的な豪雨に見舞われ、私達は峠を越える為に立ち寄った村で立ち往生していた。
当然子供は暇である。
「ねえロイド!」
「ん、なんだよコレット」
・・・それはロイドに大事に残してた苺を食べられたジーニアスが思いついた作戦で、
「私ロイドのこと嫌いだよっ!!」
「・・・えっ」
「じゃあねー!!」
パタパタパタ・・と走り去るコレットを見て表情が固まるロイド。
それを物陰から眺める私とニヤ付いているジーニアス。
「た、ただいまっジーニアス!」
「おかえりコレット、ばっちりだね!」
私とコレットは元々発端となった喧嘩を眺めていただけだったんだけどジーニアスと話しているうちに流れに流されて・・こんな状態です。
「うん・・でもロイド大丈夫かな・・・」
「大丈夫大丈夫!ちょっと懲らしめてやるだけだよ!」
「そうかなぁ・・」
その割に結構悲しそうな顔してたけどなぁ…あれ?ロイドがいない
「ジーニアスー???」
「えっ、ロイド!さっきまでそこに・・・」
「お前の仕業かー!!このー!!」
「わわわっ!ロイド、ごめんー!!」
凄い速さでヘッドロックをかけられるジーニアス。
それを見ているのは私とコレット。
よくあんなにじゃれ合えるなあと感心してしまう。
「そうだ!俺もむかついてる奴がいるんだ」
「へ?ロイドが?」
喧嘩はいつの間にかくすぐり合いになっていて案の定負け始めていたジーニアスが不思議そうに声をあげる。
「あぁ、エル!お見舞いしてやろうぜ!」
「・・・?」
*
「エル、こんなところへ呼び出してどうしたと言うのだ」
「・・・・」
ロイドに言われた場所に手を引いて連れてきたのはクラトスさん、
どうもロイドはクラトスさんの事が気に入らないらしくて一番仲の良さそうな(?)私が仕掛け人に抜擢されてしまった。
それに私は声が出せない分騙すのも上手いと勝手に言われてしまったのだ。
遠くで三人分の影、ロイドのGOサインが見える。
・・・私がやらなきゃ駄目かなぁ。
ま、断れないのも悪いか
仕方なくクラトスさんの手のひらを借りて文字を書く、
悲しい顔、してくれるのかなぁ・・
そう思うとピタ、と手が止まった。
「・・・・・・」
「どうした?」
私なんかのために・・・
「・・・・・・?」
っていうか寧ろ嫌われたらどうしよう!!
でもロイドに頼まれちゃったし!!
「〜〜〜〜〜〜っ」
緊張して頭に熱が・・!!
「一体なにがあったというのだ・・・・顔が赤いぞ」
「っ!」
クラトスさんはなぜかそう言って私の頬に触れた。
え?えっと・・熱測るやつかな?
前髪で隠れてる分目が悪いのかもしれない、クラトスさんの顔が近い。
「(どうしよ、どうしよ・・)」
「・・・・・エル(目元にゴミが・・・いや、まつげか?長いな・・・)」
あの、そんなに近いと顔があたりそうなんですけ「ストーーーーーーーップ!!!クラトス、エルに手出してんじゃねぇ!!!」
「な、ロイド!?私はそんな気は決して・・・」
「バカヤロー!!このロリコン!!!」
「!!?」
「こういうオチね・・」
「どうしたの?ジーニアス」
END
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