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とりあえず座ろうか、という流れになってとりあえずその場に腰を下ろすと
あぐらをかいたロイドが口を開いた。
『ごめんな、まともに人と会えたの久しぶりでさ』
「え、でも旅に出る前・・」
『あ、そっか!ずっとここにいるから時間間隔わかんなくてさー』
へへへ、と私と向き合いながら笑う彼。
・・・ずっと、って
「・・・この空間にずっといるの?」
『あぁ、訳ありっていうか何て言うか・・ちょっと出れないんだ』
罰が悪そうに目を逸らされてしまった。
話せない事情かな、なんにせよ今は話してくれそうに無い雰囲気だ。
「どうして、私がロイドに?ロイドの振りしてるけど・・あれはロイドの体だよね?」
『・・・・』
「このままじゃ・・・」
いつか本物じゃないと気付かれてしまう、
そう言おうとしてロイドを見ると
目の前が酷くぼやけて目眩のように視界が霞む。
「ロイドっ」
『ちょっとまだ保つのには時間がいるみたいだ・・・』
「・・・っ」
もう、目の前は殆ど見えない。
『疑問はいっぱいあると思・・・
色々 ・・言って・・思 ・・・けど俺・・・ 』
「ロイ・・・ッ」
あぁもう!肝心なとこが聞こえない!
なんて、言おうとしたの
「・・・っ」
まぶし・・・!!
暗転したと思えば突然まぶたの裏にまで光を感じて思わず目を擦った。
「・・・・・!?」
目の前には倒れたモンスターの姿と祭壇の前で羽を生やしたコレットの姿。
ロイドと会って・・・私・・・どうしたんだっけ・・
「ロイド、どうかしたか」
「あ・・いや・・・・」
クラトスに声を掛けられてしまった。
悟らせちゃいけないな・・平常心平常心・・・。
「ロイド!見てよ、コレットの羽!!」
「ロイド〜」
「あ、あぁ!すげえな!!」
「・・・・・・」
いつのまに魔物を倒した?コレットが祈るところ見たか?
自分の知らない所で話が進んでいる感覚、どうしても心はざわついた。
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