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神子一行が旅立った事を知ったロイドとジーニアスは突然村を襲ってきたディザイアンと戦い、イセリア人間牧場の長、五聖刃の1人であるフォシテスと対峙していた。


「ほう・・お前がロイド・アーヴィングか」

「・・・だったらなんだ!村を滅茶苦茶にしやがって!!」


「それはお前とエルが不可侵条約を破る罪を犯したからではないのか」


「なんだって!?ロイド、本当か」

フォシテスの言葉に反応して広場に集まっていた村人達がたじろぐ。




「・・・っ」

「け、契約違反はそっちも同じだろ!神子の命を狙ったくせに!証拠だってないじゃないか」


顔を見られていたことに驚き言葉に詰まるロイド。

その様子を見たジーニアスが負けずに言い返す。



しかしディザイアンの態度は変わらない、


「我々が、神子を?・・ふはははは!成る程、やつらが神子を狙っているのか」

フォシテスの隣にいた男がジーニアスを嗤った。


「・・奴等?コレットを襲った連中とお前達は違うって言うのか?」


「劣悪種に語る事は何も無い。それよりエルはどこだ、映像によればお前達は培養体F192に接触しお前と一緒に居たはずだ」

「映像があったなんて・・」

ジーニアスが呟くがフォシテスは続けた。


「あの女が接触したせいで培養体の成長が悪くなった・・・興味がある。貴様もだ、ロイド」


「なんだって・・」




「エルが居ないなら仕方ない、・・だが契約違反は罰せねばなるまい。・・お前の命と引き換えだ!!」



フォシテスが手を翳すと周りに居たディザイアンがロイドとジーニアスを取り囲む。


「・・っジーニアス、一気に行くぞ!!」

「わかったよロイド!」


ロイドの言葉を皮切りに戦闘が始まった、いつも知っている子供たちの姿に村人は固唾を呑んで見守る。


「いくよっ!ウインドカッター!」

「散沙雨っ!」


「ぐあぁっ!!」


だが戦い慣れている二人は意図も容易くコンボを決めてディザイアンたちを倒していく。


「・・・フォシテス様、やはりあの小僧エクスフィアを装備しています」

「やはり我々が探していたエンジェルス計画の物か」


その戦う姿を見てフォシテスが目を付けた、彼の左手のランチャーがロイドを捕らえる。

誰も戦いに目を奪われてそれに気が付かない・・



「それを・・・よこせっ!!」


次の瞬間、フォシテスのランチャーから大量のマナが放出された。



「ロイド!!!」


「うわぁっ!!!」


「・・・・・・・」



粉塵が辺りを舞って視界が悪くなる。


「やったか?」

「わかりません・・・」


フォシテスが部下に確認をとらせに行く、その瞬間だった。


「ぐぁっ!!」

「フォシテス様!!」


「っ」


ロイドの剣がフォシテスの肩を貫いた、ロイドはすかさず身を引いて距離をとる。



「なぜだ・・・今の攻撃・・・」

「フォシテス様っ」


出血が止まらなくなりフォシテスを部下が駆けつけてくる。


まわりには隠れて武装していた村人が取り囲んでいた。


「くそっ、・・退却だ・・・。ロイドよ・・その左腕のエクスフィアがある限りお前は我々に狙われる・・・覚えておけ!!」








―――・・・




去って行ったディザイアン、幸い死者は出なかったものの村は焼け、酷い状態だった。


「大変な事をしてくれたな、見ろ!この村の惨状を!!・・・お前等のせいだ」


「ごめん・・・なさい・・」


村長の声にロイドが泣きそうな顔で謝る。

村人の目も心なしか冷たいようにも見えた。


「謝ってすむ問題じゃない。・・奴等はお前を敵と認定した。お前がいる限りこの村の平和はないのだ・・・わかるな?」


「ちょっと待ってよ!それってロイドを追い出すって事!?」

ジーニアスがロイドを守るように間に立ちふさがった。

「・・そうだ」


「そんな!ロイドは悪くない。ただマーブルさんに話をしただけなのに・・・」


「牧場に関わる全ての事が禁忌だ、例外は無い!」

村長が言い切るがジーニアスは引き下がろうとはしない。


「じゃあ!村を守るためなら人間牧場の人は死んでもいいの!?」


悲痛な叫びが村に響いた。





「どうせ牧場の人間なんてあそこで朽ち果てる運命じゃないの」

誰かが言った。

「そうだ、余計な事をしなければ死ぬのはそいつだけで済むのだ」


「・・・・人間なんて、汚い」


ジーニアスが最後の言葉でそう呟いた。







  
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